米Intelは米国時間2月11日,80個の演算コアを内蔵するプログラム可能な汎用単一プロセッサを試作したことを明らかにした。演算速度は1TFLOPSあるにもかかわらず,消費電力は家庭用機器並みという。現時点では,具体的な製品計画は立てていない。

 この試作プロセッサのダイ・サイズは手の爪程度。小さな演算コアをタイルのように複製して配置する手法を採用したことで,「多くのコアを内蔵するLSIの設計を簡素化した」(Intel)。コア間の通信にはメッシュ状のネットワーク・アーキテクチャを適用し,毎秒1Tビットという内部データ転送速度を実現した。

 演算コアは個別にオン/オフ制御が可能なため,処理に必要なコアだけに電力を供給するよう制御することで消費電力を62Wに抑えた。Intelでは「多くの現行シングルコア・プロセッサより(消費電力が)少ない」としている。

 Intelが1996年に初めて構築したTFLOPS級のシステムは,1万個弱のPentium Proプロセッサを使い,設置面積が2000平方フィート(約186平方メートル)以上,消費電力が500kW以上あったという。

 Intelは,同試作プロセッサの詳細をカリフォルニア州サンフランシスコで開催中の国際固体素子回路会議(ISSCC)で発表する。

 米メディア(CNET News.com)によると,同試作プロセッサの製造プロセス・ルールは65nmで,275平方mmのダイに1億個のトランジスタを集積したという。

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