写真●富士ゼロックスの磯 豊氏
写真●富士ゼロックスの磯 豊氏
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 「自社向けに実施した日本版SOX法対策の経験を反映していることが強み」。富士ゼロックス販売本部 内部統制営業部の磯 豊部長代行(西日本統括)兼パートナー(写真)は「企業品質向上とJ-SOXのジレンマ」と題した「NET&COM2007」の講演の中で、自社が提供するコンサルティング・サービスやツールについてこう説明した。

 同社は、2005年10月から本社の日本版SOX法対応を開始しており、現在では、他社向けに日本版SOX法対応のコンサルティング・サービスを販売している。

 同社が経験した日本版SOX法対応プロジェクトの中では、「さまざまな課題が浮かび上がった」(磯部長代行)。例えば、最初に直面した課題は文書類の整理の仕方。業務を進める上で必要となる規定類が未整備だったためだ。新たに規定類を作成しようとしても、「番号の付け方が(1)、(2)、である場合と(a)、(b)とアルファベットを使う場合などが混在して監査人から指摘を受けることがあった」(磯部長代行)。

 プロジェクトでは、こうした経験を集め、独自のノウハウ集を作成した。文書化に関するものは「文書化ハンドブック」としてまとめたほか、「関連会社立ち上げハンドブック」、「海外展開用説明資料」など合計9種類のノウハウ集を作成した。

 こうしたノウハウ集は、コンサルティングを依頼した企業に対して公開している。もちろん企業ごとに多少修整する必要があるものの、「当社のコンサルティング・サービスで最も好評を得ているサービスだ」(磯部長代行)という。

 このほか、同社が販売する日本版SOX法対応作業の支援ソフト「Apeos PEMaster」にも、実際の作業で必要になった機能を実装している。例えば監査人から文書のサンプルの提示を求められたときに必要な種類の文書を無作為抽出する機能などを盛り込んでいる。「この機能により、提出するサンプルに恣意性がないことを証明する手間が省ける」(磯部長代行)。