アスキーアートを使った迷惑メールの例(Symantecのレポートから引用)。「SEXY GIRLS」の部分がアスキーアート。メールはHTMLメール
アスキーアートを使った迷惑メールの例(Symantecのレポートから引用)。「SEXY GIRLS」の部分がアスキーアート。メールはHTMLメール
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 米Symantecは2007年2月7日(現地時間)、ワールドワイドにおける迷惑メール(スパム)の流通状況をまとめたレポートを発表した。それによると、インターネットを流れる全メールのおよそ7割が迷惑メールであるという。

 Symantecは2007年1月以降、同社がインターネット上に設置した観測システムのデータに基づいて、迷惑メールの流通状況や特徴などを集計し、「The State of Spam」というレポートにまとめ毎月初めに発表している。今回公表されたレポートは、2007年1月中の状況をまとめた「2月号」。

 そのレポートでは、2007年1月中にインターネットを流れたメールの69%が迷惑メールだったとしている。2006年12月は全メールの80%が迷惑メールだったので若干減少しているものの、依然“高水準”だ。

 迷惑メールの内容としては、投資や土地の購入、株取引などを勧める「金融関連」が最も多く、全体の4分の1を占める。次いで、時計やソフトウエアの海賊版などを宣伝する「製品関連」、医薬品や健康食品などを宣伝する「健康関連」が、それぞれ23%だった。「アダルト関連」は意外に少なく4%。レポートによると、アダルト関連の迷惑メールは、ここ数カ月で激減しているという。

 また、迷惑メール全体の30%が「画像スパム(Image Spam)」だった。画像スパムとは、製品やサービスなどの宣伝文句を画像ファイルにして添付する迷惑メール。画像スパムの目的は、迷惑メールフィルター(迷惑メールをブロックする製品)を回避すること。

 迷惑メールフィルターの多くは、メールの本文に書かれている単語や文章を、迷惑メールかどうかを判断する材料の一つにする。このため画像スパムでは、本文に何も書かないか、宣伝とは無関係の文章を書いておく。そして、宣伝文句はメールに添付した画像ファイルに記述する。こうしておけば、メール中の単語や文章をチェックしても、迷惑メールであることは分からない。

 画像スパムは2006年から急増。Symantecのレポートによれば、2006年12月には画像スパムの割合が全迷惑メールの45%に達したという。2007年1月には減少したものの、画像スパムは依然多い。

 そのほか、2007年1月にはアスキーアートを使った迷惑メールも目立ったとする。例えば、そのままでは迷惑メールフィルターに引っかかるであろう単語(図では「SEXY GIRLS」)を、複数の文字や数字を使ったアスキーアートで表現することで、フィルターを回避する。