写真1 首にぶらさげたカードサイズの認証用電界発生装置と床に埋め込んだ受信装置の間で,体を経由して認証している様子。床に立つだけで認証が完了し,背後にあるロッカーの鍵が開く仕組みになっている。
写真1 首にぶらさげたカードサイズの認証用電界発生装置と床に埋め込んだ受信装置の間で,体を経由して認証している様子。床に立つだけで認証が完了し,背後にあるロッカーの鍵が開く仕組みになっている。
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写真2 机の上にノート・パソコンを置くだけで,ケーブル接続せずに通信が可能になる。最大10Mビット/秒の通信が可能だ。
写真2 机の上にノート・パソコンを置くだけで,ケーブル接続せずに通信が可能になる。最大10Mビット/秒の通信が可能だ。
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 NTT武蔵野研究開発センタで開催中の「NTT R&Dフォーラム2007」で,NTTマイクロシステムインテグレーション研究所が「有線でも無線でもない」通信技術を展示中だ。

 この技術は,電界を時間によって変調することでモノや人体を通信経路として利用するというもの。NTTマイクロシステムインテグレーション研究所は,「レッドタクトン」と命名している。「体をケーブルやコネクタとして利用できるため,有線でも無線でもない自然な動作で様々な通信が可能になる」(NTTマイクロシステムインテグレーション研究所)としている。

 デモでは,認証用の電界発生装置を体に触れさせておくことで,ドアや床に埋め込んだ電界受信装置との間で,手や足を媒介として認証する様子を披露している(写真1)。「このシステムを利用すれば,ドアに手を触れるという普段の動作そのままで,体を経由して認証が可能になる。現在は非接触ICカードをカードリーダーにかざすことで認証するケースが多いが,それよりも利便性は向上する」(NTTマイクロシステムインテグレーション研究所)。

 このほか,電界の受信機能を搭載したノート・パソコンを机の上に設置した電界発生ゾーンに置くだけで,ケーブル接続しなくてもネットワーク接続が可能になる様子もデモンストレーションしている(写真2)。この技術については,現在実用化に向けて電界発生用の専用チップを開発中だという。