写真:マクニカの樋口 敏幸氏
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 「今あるシンクライアント・ソリューションは,専用PCやサーバーの導入コストがかかるし,セットアップの手間もかかってしまっている」--。東京ビッグサイトで開催中のNET&COM2007における専門セミナーで,マクニカネットワークス ソリューション技術部第2課課長の樋口 敏幸氏は,このように語った。

 そんな樋口氏が「もっとコストも安く,簡単に導入できる漏えい対策が出てきている」として紹介したのが,米Juniper Networksが販売するSSL-VPN装置「Juniper SA」を利用する方法だ。これは,既存PCを一時的にシンクライアント化する「Secure Virtual Workspace」と呼ぶ機能を持つ。既存PCはブラウザがあれば利用でき,特別なハードウエアやソフトウエアは必要ない。

 「Secure Virtual Workspace」を使う場合,具体的にはJuniper SAにアクセスするとPCにモジュールがダウンロードされる。ダウンロード終了後に,Juniper SAへのログインのためにIDとパスワードを入力すると,社内ネットワークにアクセスできるようになる。同時にPC上に仮想ディレクトリが生成される。

 これ以後,ダウンロードしたり新規作成したりするすべてのデータはこのディレクトリに保存される。Juniper SAとのセッションが終了すると,ディレクトリおよびその中のデータはすべてPC上から消去されるため,PCの紛失などによる情報漏えいのリスクがないという。セッション中にデータをUSBにコピーしたり,印刷したりすることも禁止できる。

 樋口氏は,「社内のPCか社外のPCかを判別することもできるので,自宅のPCを使った場合のみSecure Virtual Workspaceを使うといった柔軟な運用もできる」と語った。