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 ヤマダ電機は2月7日、ICタグを使った業務効率化実験の模様を公開した。DVDプレーヤ、炊飯器、アップルコンピュータの「iPod」に、UHF帯ICタグを貼り付け、入出荷検品や在庫確認に利用する。「これまでは在庫確認のためにバックヤードの倉庫まで走り、揚げ句に顧客を数分待たせるケースがよくあった。それをある程度解消できる」(システムの構築などを担当した、日本ユニシス商品企画部の松谷博マネージャー)。

 ICタグは、商品入荷時、バックヤード倉庫への移動時、店頭への移動時に読み取る(写真上)。店内の要所にゲート型のリーダーを設置している。店員がPDA(携帯情報端末)を使って商品のバーコードを読むと、入荷スペース、倉庫、店頭にその商品がそれぞれいくつあるかがわかるようになる。

 これまでは、店舗内の在庫数しか把握できていなかった。「実験中、実際に店頭にも倉庫にも在庫はなかったが、入庫スペースに1点あったというケースがあった。以前であれば販売機会損失につながっていただろう」(松谷氏)。

 また、高価な商品で利用されている「お取り寄せカード」に関する業務も、ICタグを使って改善。商品と一緒に並んでいるICタグを読み取って、その場でカードを印刷するシステムを、店頭に設置した(写真下)。カードは紛失するケースがあるため、在庫数とカードの数を担当者が毎朝調整する必要があった。その手間をなくす。

 実験は、大手メーカーが加入し、みずほ情報総研が事務局を務める家電電子タグコンソーシアムが主導。ヤマダ電機のほか、ベンダーとして日本ユニシス、日本IBM、大日本印刷が参加した。実施期間は1月22日~2月4日まで。