事業者ごとの携帯電話契約の純増数推移(TCAの資料を基に日経パソコンが作成)
事業者ごとの携帯電話契約の純増数推移(TCAの資料を基に日経パソコンが作成)
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 電気通信事業者協会(TCA)は2007年2月7日、2007年1月末時点の携帯電話契約数を発表した。総契約数は対前月末比37万9300件増の9531万5200件。例年1月は、年末商戦の反動で契約が減り、純増数は20万件台になることが多いが、今回は携帯電話番号ポータビリティー(MNP)制度開始以来の勢いを持続させた。事業者別内訳では、ソフトバンクモバイルが純増数でKDDIに迫る大幅な伸びを記録。新料金プランの投入が奏功したもよう(発表資料)。

 ソフトバンクモバイルは、対前月末比16万4000件増の1566万500契約となった。2003年4月に記録した20万4800件の純増に次ぐ高い伸びとなった。同社は1月16日に月額基本料980円の新料金プラン「ホワイトプラン」の提供を開始しており、携帯電話の料金を気にするユーザーに受け入れられたことが大きな要因とみられる。端末に関しては、「いわゆる『AQUOSケータイ』の新機種である『911SH』の引き合いが良かったほか、薄型端末の販売状況も総じて好調だった」としている。ただし、2007年2~3月の春商戦に向けてはNTTドコモとKDDI(au)もAQUOSケータイをそれぞれ発売予定としており、今後の純増数の動向に注目が集まる。

 KDDIは、対前月末比20万8400件増の2743万3900契約となり、引き続き3事業者で最大の純増数を記録した。うち「au」ブランドが43万2000件の純増、「ツーカー」ブランドが22万3600件の純減である。2006年12月に引き続き、音楽再生機能やワンセグ受信機能付き端末が好調だった。ただし、年末商戦のピークだった2006年12月は29万7500件の純増を記録しており、これに比べると純増数は少なくなっている。年が明けて引き合いが一服したことと、2007年1月16日に発表した春商戦向け新機種が店頭に並ぶまでの端境期に差し掛かったことなどが要因とみられる。

 NTTドコモは、対前月末比7000件増の5222万800契約となった。2006年12月に引き続き単月での純増は維持したものの、低空飛行が続く。「年末商戦だった2006年12月に比べ新規での販売が落ち着いたことに加え、MNPによる契約切り替えの影響を最大手の当社が最も大きく受けた」(NTTドコモ 広報部)。ただし、「解約などの動向を観察しているが、ソフトバンクモバイルのホワイトプラン開始による影響は大きくないととらえている」(NTTドコモ 広報部)という。

 MNP制度を利用した転出入についてみると、KDDIが差し引き10万8400件の増加、ソフトバンクモバイルが1万件の減少(転入8万2300件、転出9万2300件)、NTTドコモが9万8500件の減少となった。なおKDDIとNTTドコモは、転入と転出それぞれの件数については公表していない。

 PHS事業者のウィルコムは、4万3000件増の440万2500契約となった。

 なお、NTTドコモの第2世代携帯電話(2G)サービス「ムーバ」の契約数が、2007年1月末で1913万3400契約となり、2000万件の大台を割った。ツーカーやソフトバンクモバイルを合わせたPDC方式の2G端末全体でも2940万9100件と、3000万件割れとなった。PDC方式全体で単月に165万4500件の純減となっており、第2世代端末から第3世代端末への移行が進んでいることがうかがえる。

■変更履歴
記事の第5段落で、MNP制度を利用した転出件数と転入件数を「各社とも公表していない」と記述しておりましたが、実際にはソフトバンクモバイルは公表しています。お詫びして訂正します。本文はソフトバンクモバイルの転出入件数を加筆のうえ、修正済みです。[2007/02/08 14:44]