写真●周波数解析法を採用した指紋認証装置「UBF-mini」
写真●周波数解析法を採用した指紋認証装置「UBF-mini」
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 認証機器・組み込み機器のディー・ディー・エス(DDS)は,2月7日から東京ビッグサイトで開催中の「NET&COM2007」で,独自方式の指紋認証装置を展示している。

 従来の指紋認証装置は「マニューシャ法」を採用していることが多い。この方法では,指紋の画像から特徴点を抽出するため,事前に指紋を登録する必要がある。しかし,指紋画像が流出するおそれがあるため,利用者には心理的な抵抗があることが多い。指に傷がある,指先にひどい肌荒れがあるといった場合にも認証しにくく,指紋を登録できない人が数%出てしまう。

 DDSは「周波数解析法」という独自のアルゴリズムを採用。センサーの上で指を滑らせて認証する。指の熱などを感知し,指紋の断面信号を分析するため,事前登録した信号が流出しても指紋自体は分からない。指の傷などがあっても認証には支障がなく,DDSでは過去数十万例のうち事前登録ができなかった例はないとしている。

 これまで東京都北区役所,佐賀県庁などの官公庁や,金融機関などで多くの導入実績がある。「日本版SOX法の影響もあり,引き合いは強まっている。個人情報を多く保有しているなどの理由で,1ランク上のセキュリティ管理を実施したいというニーズも強い」(バイオメトリクス事業本部の坂元淳一氏)。

 装置の価格は個人保管用の「UBF-mini」が1台2万3000円,複数人の共同利用を想定した「UBF-blue」が1万9800円(税別)。このほかにライセンス料などがかかる。