写真 NGNホットステージで展示中のCASTデモ
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 KDDI研究所とモトローラは,NGN(次世代ネットワーク)の実用化に向けて共同開発したサービス制御技術「CAST」(converged networks for advanced service and technology)のデモを実施している。このデモは,ネットワーク最前線2007の特別企画「NGNホットステージ」のなかのひとつである。

 CASTは,NGNに接続しているユーザーが,通信サービス,アプリケーション,通信端末を動的に切り替えながら継続して通信できるようにするサービス。デモでは,Webカメラを取り付けたパソコンをテレビ会議端末として使っている場面を想定し,そこから音声通話を無線LANに接続したPDA(personal data assistance)や携帯電話機に切り替えたり,相手のWebカメラで撮影中の映像をパソコンからテレビでの視聴に切り替えたりする。PDAで音声通話をしている最中には,アプリケーションを音声からテキスト・ベースのメッセージング・ソフトに切り替えるといった,サービス内容そのものの切り替えも可能だ。

 こうしたサービスの切り替えは,両者が共同開発した「CASTサーバー」の機能を使っている。ユーザーのサービス利用状況を把握し,サービスの切り替えのタイミングや,端末同士のネゴシエーションなどの順序を制御して,短時間での切り替えを実現するという。サービス切り替えにかかる時間は,端末の性能などにも左右されるが,ほとんどの場合1秒以下だという。

 KDDI研究所とモトローラでは,今回の技術を商用サービスに適用する検討も始めているという。商用サービスではテレビ会議のような企業向けサービスだけでなく,パソコンで遊んでいたオンライン・ゲームを,外出時に携帯ゲーム機に切り替えて外出時にも続けて楽しめるようにする,といった個人向けサービスなども検討している。