冒頭のあいさつに立ったレノボ・ジャパン社長の天野総太郎氏
冒頭のあいさつに立ったレノボ・ジャパン社長の天野総太郎氏
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基調講演を行ったレノボ・グループの社長兼CEOのウィリアム・アメリオ氏
基調講演を行ったレノボ・グループの社長兼CEOのウィリアム・アメリオ氏
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ThinkPadの今後の方向性を示唆したレノボ・ジャパン副社長の内藤在正氏
ThinkPadの今後の方向性を示唆したレノボ・ジャパン副社長の内藤在正氏
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 レノボ・ジャパンは2007年2月6日、一般のユーザー向けのフォーラム「イノベーション・フォーラム2007」を開催した。テーマはレノボ・ジャパンのビジネス戦略ではなく、「次世代グローバル企業の成長戦略」だったが、そのなかにはThinkPadの今後の方向性を示唆した講演もあった。

 レノボ・ジャパンの天野総太郎社長は冒頭のあいさつで、2005年の聯想集団の買収から今までを振り返り、「今では世界第三位のシェアになっているが、認知度はまだ低い」と述べ、各種イベントのスポンサーとして知名度を高めていくことなどを説明した。

 続いて基調講演を行った、レノボグループの社長兼CEOであるウィリアム・アメリオ氏は、グローバル化におけるビジネスの在り方について述べた。まず、「ビジネスにおけるグローバル化はより一層重要になってきている」とし、過去10年間に誕生したテクノロジーを使えば簡単にグローバル化を図れるといったことを説明した。その上で、今後は成熟市場と共に新興市場でのビジネスがより重要になってくると述べ、国境や時間を超えてビジネスを展開する「New World Company」こそが、グローバル企業として成長していけること、そしてレノボ・グループもその一員であると語った。

 次に登壇したのは、レノボ・ジャパンで研究・開発を担当している副社長の内藤在正氏。「日本発、宇宙に飛んだ弁当箱」というテーマで、ThinkPadの歴史を見ながら、ThinkPadの今後の方向性について説明した。

 内藤氏は、ThinkPadを開発するまでの歩みを振り返りながら、スペースシャトルに搭載された第一世代に当たるThinkPadの「750C」「755C」「760C」を取り上げ、「宇宙に持って行くには一つの間違いも許されず、ほかの機器に影響を与えないことが重要だった」と述べ、製品に対する高い信頼性を改めて示した。

 続いて、第二世代のThinkPadになるAシリーズ、Tシリーズ、Xシリーズなどの説明を行い、今のThinkPadは第三世代となること、そして「今後もThinkPadはプロフェッショナルの道具としての進化を続けていく」と述べ、新しいテクノロジーなどを盛り込んでいくとした。最後は、大和事業所が今後もThinkPadの開発の中心で在り続けると説明して講演を締めくくった。

 ITを使った人材育成の可能性についてのパネルディスカッションも行われた。「次世代グローバル企業に求められる人材像と企業像」というテーマで、同社の社長兼CEOのウィリアム・アメリオ氏のほか、東京大学助教授の中原淳氏、マイクロソフト執行役公共インダストリー統括本部長の大井川和彦氏などが参加した。