「IP化時代の通信端末に関する研究会」の第3回会合の様子
「IP化時代の通信端末に関する研究会」の第3回会合の様子
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 総務省は2月6日,将来の通信端末について議論する「IP化時代の通信端末に関する研究会」の第3回会合を開催した(写真)。同研究会は2010年ころのネットワークを見据えて,通信端末に要求される機能や課題などを議論する場。今回までは特定の方向性を打ち出すのではなく,前回前々回に引き続き,今後議論すべきテーマや課題などについて幅広く意見を聴取した。今回はソフトバンクテレコム,松下電器産業,日本IBMが意見を発表した。三社に共通していたのがマルチベンダー/マルチキャリア下での端末の相互接続の問題や,安心してネットワークに接続するための認証の必要性など。

 例えば相互接続について松下電器産業は,業界全体で接続検証センターなどを設けて接続性を保証することができないか,といった意見を述べた。今後,IP化の進展とともに,ネットワークにつながるデジタル家電が増えるだけでなく,選択できるアクセス網や宅内のネットワーク接続手段,その先につながるゲートウエイなども増加。これらの接続検証件数も膨大なものとなり,全体の接続性をどう保証するか,これまで以上に難しくなると説明した。

 また認証については利用者認証や端末認証だけでなく,接続する先の情報の信ぴょう性など外部情報を判断するための認証が必要となる,との意見も多く出された。例えば研究会に参加しているトヨタIT開発センターは次のような意見を述べた。従来であればサスペンションから伝わる状況など自動車自らが取得した情報によって安全性を判断していたが,ネットワークに接続すると外部の第三者の情報が安全性を保つために使われると説明。こうした外部のコンテンツの信ぴょう性をどう担保するかが切実な問題になると述べた。

 総務省では今回までの議論を受けて論点を整理し,3月に開催する研究会で一定の方向性を示す予定である。