ヤマハは2月6日,「ファイアウォール・ルーターSRT100」を発表した。SOHO(Small Office/Home Office)/中小規模事業所向けルーターにファイアウォールを統合した製品で,希望小売価格は8万1900円。4月下旬の発売を予定している。同社製のルーターはこれまでもセキュリティを高める機能を搭載してきたが,それを強化するとともにGUI(Graphical User Interface)の管理ツールから設定可能にすることで利用者が設定しやすくした。ルーター機能だけではセキュリティに不安を感じるが,多機能なUTM(Unified Threat Management)製品は高価と感じる利用者層を狙う。

 新製品は,ルーター機能としてパケット・フィルタリングやVPN(Virtual Private Network)を備えつつ,ファイアウォール機能としてステートフル・インスペクションとIDS(侵入検知システム)を備えている。加えて,分かりやすい日本語GUIのインタフェースの管理ツールによる設定支援機能を装備して,セキュリティを含めた機器の設定を容易に管理できるようにした。設定はポリシーとしてまとめられ,複数のポリシーを状況に応じて切り替えられる。背面の「DOWNLOAD」ボタンを押すだけでファームウエアを更新する機能や,通信に関するログ・統計情報をUSBメモリーに保存する機能も備える。この製品ではUSBメモリーに保存する情報を暗号化できるようになった。

 外観はイーサアクセスVPNルーターRT107eとほぼ同じで平置き型の筐体である。4ポート・スイッチング・ハブ付きのLANポートを一つ,外部ネットワーク用WANポートを一つ備える。IPv4のルーティング・プロトコルはRIP/RIP2/OSPF/BGP4に対応する。IPv6のルーティング・プロトコルはRIPng。ネットワーク管理に便利なSSHサーバー機能,NetVolante DNS機能,QoS機能,VLAN機能がある。スループットは最大200Mビット/秒(NATなし,フィルタなし,双方向)。ファイアウォール・スループットは同80Mビット/秒(片方向)。VPNスループットは同80Mビット/秒(双方向)。既知の攻撃パターンなどを記録したファームウエアを更新しても追加料金が不要である。