ファイアウォール・ルーターSRT100
ファイアウォール・ルーターSRT100
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 ヤマハは2007年2月6日,不正アクセスの防止機能などを強化した法人向けVPN(仮想閉域網)ルーター「ファイアウォール・ルーターSRT100」を発表した。安価なインターネットVPNを使って本社と接続している遠隔拠点などに向く。2007年4月下旬に出荷する。価格は8万1900円。

 SRT100は,IPsecを用いたVPN機能と不正アクセス防止機能(ファイアウォール機能)を備えた法人向けルーターである。遠隔拠点の需要に合わせ,DHCPサーバー/クライアント機能やQoS機能も備える。同社が2005年10月に6万8000円(税抜き)で出荷した「イーサアクセスVPNルーターRT107e」をベースに,WebベースのGUI設定画面を強化して各種設定を容易にした。このほか,不正アクセス防止機能の強化や統計レポートの簡易生成機能の追加なども施した。

 主な仕様は以下の通り。搭載するネットワーク・インタフェースは2系統で,LANには内蔵する4ポートのレイヤー2スイッチ経由で接続する。コンソール・ポートはD-Sub 9ピン形状のシリアル・ポートが1基。製品背後に設置したダウンロード・ボタンを押下することで,インターネット経由でヤマハからファームウエアを更新できる。ルーティング・プロトコルは,IPv4がRIP/RIP2/OSPF/BGP4。IPv6がRIPng。ルーターの冗長化プロトコルはVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)。

 不正アクセス防止機能は,IPアドレスやポート番号を利用した簡単なアクセス制御に加え,社内から張った正当なコネクションに対応すると判断できるSYNパケットを社内に通すといった機能や,HTTPやFTP,DNSなど特定のアプリケーションの通信の中身を深く解析して安全性を確かめる機能などを備える。アクセス許容ポリシーは複数設定が可能であり,Winny通信の検知,あるいはMACアドレス未登録のクライアントPCの社内LANへの接続などをトリガーに,ポリシーを動的に切り替える運用ができる。

 ハードウエアのきょう体はRT107eがベースとなっているが,SRT100では,新たにログの保存などに使うためのUSBメモリーを接続する機能を追加した。本体にあるUSBポートに外部USBメモリーを挿入して利用する。統計ログの保存のほか,コンフィグ・ファイルやファームウエアの抽出格納などに利用できる。USBメモリーの盗難に備え,データを暗号化できる。

 なお,USBメモリー接続機能は,ISDN(BRI)や電話音声通話などを使える多機能SOHO向けルーター「NetVolante RT58i」で初めて採用したもの。NetVolanteシリーズは,POSレジスタなどISDNや電話回線などを使う業務に向いており,法人営業に加えて個人向けの販路である大型量販店での店頭販売を継続しているブランドである。法人営業のみのRTシリーズにおけるUSBメモリー接続は,今回のSRT1000が初となる。