佐賀県は2月6日、乱数化して三つに分散したデータをそれぞれ別のに分散保存することで情報セキュリティの強度を高める「秘密分散技術」の実証実験を実施する。

 実証実験は、総務省の「地方公共団体における個人情報保護強化のためのソリューションの実証プロジェクト」(2006年度)として採択されたもので、実施事業者はNTTコミュニケーションズ。佐賀県の台帳管理システムのデータを佐賀、東京、大阪の3カ所のデータセンターに分散して保存・利用し、同社の「秘密分散技術」を検証する。

 乱数化され三つに分散したデータは、復元するために最低2つの分散データが必要となるため、不正アクセス、盗難などによる情報流出に強い。また、拠点のうち1カ所が災害などで使用不能になっても、残り2カ所が無事であれば情報を復元できるため、災害時のディザスタリカバリーとしても期待できる。今回は実証実験のため、個人情報を含まないデモデータを使い、復号が実際にきちんとできるか、データを業務で使用した際に従来と比べて操作の速度は遅くならないかなどを確認する。

 佐賀県では今回の実証実験を通じて、地震が少ないという地域特性をアピールし災害時の情報バックアップ拠点としての認知度を高めることも狙っているという。

 なお、その他の「地方公共団体における個人情報保護強化のためのソリューションの実証プロジェクト」としては、庁内ネットワークにおけるファイル共有ソフト通信の検知・遮断(神奈川県藤沢市/NEC)、シンクライアント端末を使った庁外業務における個人情報保護(埼玉県毛呂山町/NTTデータ経営研究所)が採択されている。また、前年度の実証実験(個人情報保護強化技術実装システムの開発・実証プロジェクト)の報告書は総務省のサイトで公開されている。