日本オラクル,カスタマーサービス統括本部オンデマンド本部長の荻矢隆雄氏
日本オラクル,カスタマーサービス統括本部オンデマンド本部長の荻矢隆雄氏
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 「これまでは顧客先のサイトを遠隔保守していた。今後はホスティングを含めてユーザー企業のシステム運用管理業務のすべてを代行する」---。日本オラクルは,同社が3年前から開始した業務アプリケーションの使用ライセンスを含んだ情報システムの運用アウトソーシング・サービス事業「Oracle On Demand」が,2010年まで前年度比100%成長を継続する見通しを明らかにした。

 日本オラクルは2007年2月5日,同社のERPである「Oracle E-Business Suite」に特化したアウトソーシング・メニュー「EBSO@Oracle」の提供を国内で開始した。従来はアプリケーション部分に限って運用を受託してきたが,今後はアプリケーションを動作させるサーバー機やネットワーク,ストレージなどシステム一式の運用保守を請け負う。E-Business Suiteだけでなく,他の業務アプリケーションのメニューを拡充していく。

 運用場所となるデータセンターは米国Texas州Austinにあるが,ユーザー企業に出向いてサポートを行う日本国内の顧客サポート部隊も強化するという。エンドユーザー向けのヘルプデスクの所在地も米国だが,24時間365日,日本語で対応するとしている。システム稼働状況をレポートする顧客向けポータルも用意する。

 データセンターを利用する顧客は,EBSO@Oracleの契約企業を含めて現時点で29カ国330社以上あり,サーバーは4000台を超えるという。サーバー機は標準で米Sun Microsystems製,OSは標準でLinuxを使う。

 アウトソーシング事業は,ユーザーから見れば,ベンダーが複数顧客のシステムを一元管理することで,自社で情報システムを運用する場合に比べて運用管理コストを抑える効果を見込める。EBSO@Oracleの具体的なサービス提供価格は,従業員1000人(うち100人は人事部/経理部など特権ユーザー)の場合で,月額312万5000円(年額換算で3750万円,従業員1人あたり月額3125円)となる。