総務省は2007年1月29日,国民生活に不可欠な電話サービスを全国にあまねく安定的に提供するユニバーサルサービス制度を見直す「ユニバーサルサービス制度の将来像に関する研究会」の第1回会合を開催した。通信事業者の基幹ネットワークが今後,固定電話網からIP網へと移行していくことを踏まえて,将来においても確保すべきユニバーサルサービスの在り方について議論する。2007年11月をメドに報告書をまとめる計画だ。

 ユニバーサルサービス制度は,2006年3月に関連省令が改正され,運用がスタートしたばかりの制度である。2007年1月からは,自社で運用する電話番号1件につき月額7円を,すべての通信事業者が拠出することになった。この拠出金で,NTT東西地域会社の固定電話網のうち不採算地域の一部を対象にして,基本料金の一部や緊急通報,一部の公衆電話などを維持するための費用を補てんする。

 こうしたなか,総務省は早くも現行制度の見直しに着手した。背景には,日本全国で一律に固定電話サービスを提供するためのコストが将来も上昇する傾向にあることがある。ユニバーサルサービス体制維持のため,NTT東西には事業の効率化努力を進めることを勧告しているが,今後,月額7円の負担金は引き上げられる可能性は大きい。