グループウエア大手のサイボウズは2月1日,これまでの成果重視型賃金制度に加え,年功を重視した賃金制度を導入した。同日付けで運用を開始している。従業員は年功重視型か,成果重視型かを選択できる。

 現在,サイボウズ従業員の平均年収は620万~630万円。一方,年功重視型では年収の上限が650万円になる。

 年功重視型賃金制度の導入は,従業員に安定した労働環境を提供するのが目的。「社員の人生には育児や介護といったさまざまなイベントがある。年功重視型制度によって社員の満足度を高めたい。優秀な人に長く働いてもらいたい」(サイボウズの山田理 取締役/人事本部長)。年功重視型賃金制度によって,今後の新卒採用を含め,安定を好むタイプの優秀な人材の確保を狙うほか,少子化対策にも貢献したいとしている。

 サイボウズが導入した年功重視型賃金制度は,勤務年数や日々の勤怠をもとに評価する。従業員個人の成果は評価しない。成果重視型賃金制度ほどは大幅に昇給しないものの,真面目に勤務すれば給与は徐々に上がる。

 ボーナスも成果重視型は会社の業績に連動するが,年功重視型は業績に無関係。従業員の勤怠評価をもとに決定する。年功重視型と成果重視型は1年単位で切り替えられる。育児や介護が必要となったときにだけ年功重視型を選択する,といったことが可能である。