「金融商品取引法」(金取法)で上場企業に提出を義務付けた「内部統制報告書」の書き方が3月末をメドに公表されることになった。1月31日に開かれた金融庁の企業会計審議会内部統制部会で、「報告書の記載事項や形式は金取法の内閣府令に盛り込む」ことが示された(同部会で配布された資料はこちら。実施基準案に関する関連情報は「内部統制.jp」の特集ページを参照)。内閣府令は3月末にもまず案が公表される。その上で約1カ月のパブリックコメントにかけ、修正を加えた上で公布される公算が高い。このため確定は5月以降になるもようである。

 いわゆるJ-SOX法の実施基準案は、「内部統制の枠組み」「経営者による評価方法」「監査方法」を示しているが、唯一ごっそりと欠けているのが経営者による報告方法である。31日の内部統制部会では実施基準案の審議を終えており、企業会計審議会の総会で2月中に確定することが決まった。企業が取り組むべきことは、この実施基準と3月末に公表される内閣府令で全体像が把握できることになる。

 内閣府令で企業の情報開示方法を定めた例としては、「有価証券報告書」が典型である。中核となる財務諸表や、株式の状況(大株主や発行株式の情報)のほかに、「企業の概況」「事業の状況」「設備の状況」など、記載事項や形式が細かに決められている。

 今回の「内部統制報告書」では、全社的な内部統制や業務プロセス統制の評価結果をどの程度まで書き込むか、重大な欠陥について何を記載するかが焦点の一つになりそうだ。