NTTドコモは2007年1月31日、パソコンから第3世代携帯電話(3G)網を経由してデータ通信する際の通信料金を月額定額制とするサービスを、2007年秋に開始すると発表した。同社はPHSで、パソコン向けの定額制データ通信サービス「@FreeD」を提供しているが、同社のPHSサービスは2007年10~12月に廃止される予定。今回の新サービスは「@FreeD」廃止後の受け皿となる(発表資料)。

 データ転送速度は、@FreeDと同じ64kbpsとしている。同社の3G網では下り最大384kbps、データ転送速度を高速化するHSDPA規格の対応端末では下り最大3.6Mbpsの速度で通信できる。しかし、パソコン向けの定額制データ通信サービスとしては、当面こうした高速のサービスは提供しない。「トラフィックの混雑や営業施策の問題で制限しているわけではなく、とりあえず@FreeDの代替サービスを提供し、現在PHSを使用しているユーザーを救うということ」(NTTドコモ 代表取締役社長の中村維夫氏)。新サービスの料金体系や、@FreeDと同様の回線交換方式または現在主流のパケット交換方式のいずれを採用するかなど、サービスの詳細は明らかにしていない。

 併せて同社は、データ通信に関する2種類の定額制サービスを提供開始することを発表した。1つは「パケ・ホーダイフル」。一般の携帯電話機でフルブラウザーを起動し、パソコン用のWebサイトを閲覧するときのデータ通信料金を、月額5985円の定額制とする。もう1つは「Biz・ホーダイ」。NTTドコモが販売するスマートフォン「M1000」「hTc Z」を用いてパケット通信する際のデータ通信料金を、月額5985円の定額制とする。パケ・ホーダイフルは2007年3月1日、Biz・ホーダイは2007年4月以降にそれぞれ適用開始予定。

 なお、同社はHSDPAのデータ転送速度を下り最大7.2Mbpsに高速化する方向で準備を進めている。この実施時期については、「2007年度末になるだろう」(中村氏)との見通しを示した。また、HSDPAの対応端末について、「長期的には、上位機種である『FOMA 90xiシリーズ』には標準搭載していく。低価格機の『FOMA 70xiシリーズ』は、機種ごとに適宜判断していくことになるだろう」(中村氏)との方針を明らかにした。