写真1 岩崎通信機のNR-IPKTVで動作する「desk shopping」サービス
写真1 岩崎通信機のNR-IPKTVで動作する「desk shopping」サービス
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 岩崎通信機は1月30日,IP電話機を使ったEC(電子商取引)ビジネス「desk shopping」を展開すると発表した。同社のWebブラウザ搭載IP電話機「NR-IPKTV」から利用できる仮想ショッピング・モールを構築。タッチパネルによる平易な操作で購買業務ができる点を売り物に,中小事業所へのビジネス電話拡販につなげる(写真1)。書籍や文具,宅配などの商品やサービスを提供する8社が対応ECサイトを提供し,2月13日から運用する。

 仮想ショッピング・モールとなるポータル・サイトの構築・運営は,岩崎通信機が25%出資するビネガが担当する。出店する企業は,desk shopping向けにカスタマイズしたECサイトを構築。売り上げに応じた手数料をビネガに支払う。ビネガはこの手数料の一部を販売奨励金としてNR-IPKTVの販社に還元。販社によるオフィス向け電話機拡販の原動力とする。

 2月のスタート時には,アートコーポーレーション(引っ越し),ユタカファーマシー(医薬品),Amazon.co.jpのアフィリエイターとしてビネガ(書籍)の3社が出店。3月に公益社(葬儀),フェイス(CD/DVD),ヤマト運輸(宅配)が,5月にカウネット(文具)が,6月にサムシンググッド(ゴルフ場などの施設予約)が加わる予定だ。

 固定電話機を端末とするECの試みとしては,NTT東西の「Lモード」がある。しかしLモードでは低速な回線交換型のサービスを利用していたため,ADSLやFTTHといったブロードバンド回線の普及を前に苦戦。2006年11月で新規受付を終了し,2010年をめどに休止する。岩崎通信機はブロードバンド回線を前提とした新しいビジネスモデルとしてdesk shoppingの利用拡大を狙う。

 同社は今後,FeliCaによる決済機能(FeliCaのカード・リーダー)を追加するなどIP電話機の機能拡充を進める計画。ビネガはdesk shoppingへの出店を呼びかけるほか,岩崎通信機以外のIP電話機メーカーにもdesk shoppingプラットフォームの採用を働きかける。