中国でも1月30日に「Windows Vista」が発売された。北京の電脳街「中関村」で開かれたWindows Vista発売イベントの様子をお伝えする。
まず,中関村へ行くと目に入ったのがレノボとマイクロソフトが共同で用意したWindows Vistaの体験ブースだ。これは大型量販店「鼎好商城」にある(写真1,写真2)。ただ,平日午後ということもあり,体験ブースは人影もまばら。ゆったりとした雰囲気である。
午後4時からは体験ブースで,レノボの陳紹鵬・大中国区総経理とマイクロソフトのScott Di Valerio副社長による発売記念サイン会が開かれた(写真3,写真4)。サイン会会場には開始15分ほど前から行列が出来始め,開始時には100人強が列をなした。レノボ社員による短いスピーチの後,サイン会がスタート。一番乗りは50代くらいの女性で,2番目も50代と思われる男性。
Scott Di Valerio副社長は10分程度で会場から退出したものの,参加者はその後も行列に並ぶ。よく観察すると,参加者はこのサイン会やWindows Vistaのために中関村に来たという感じはなく,中関村での買い物でたまたま居合わせたように見える。試しに,サインをもらったある若者をずっと観察してみたが,Vistaを購入してはいなかった。というよりも,筆者が歩いた限りでは,Vistaの製品パッケージ自体の販売を見つけることができなかった。
鼎好商城1階にあるレノボの店舗には横断幕が掲げられており,Windows Vista搭載PCの販売が始まっていた(写真5)。デスクトップ・モデルの価格を例にあげると,Core 2 Duo E6300搭載の上位モデル「天驕S 6020i」が1万1099人民元(約16万6000円),Pentium D 915搭載の普及モデル「天驕S 1510i」が7499人民元(約11万2000円)。ちなみに天驕とは「天の寵児」という意味だ。
レノボ以外のメーカーはWindows Vista発売に合わせたキャンペーンなどを行っておらず,ほとんどの店舗はWindows XP搭載のPCを販売している。Vistaの製品パッケージも売っていないようだ。これではVistaの船出は静かなものにならざる得ないのだろう。