兵庫県の消費者センターに当たる神戸生活創造センターは1月30日,ソフトバンクモバイルの携帯電話の販売手法において消費者からの苦情を受け,取引方法を改善するよう同社に要望したと発表した(同センターが公表した発表資料)。問題となったのは,携帯電話端末を12~24回の分割払い(割賦)で販売する「新スーパーボーナス」。解約時に6万円を超える端末代を請求されるなどのトラブルで,顧客からの苦情を受けていたという。同センターは,個別の案件についてソフトバンクモバイルと交渉し,3件で無条件解約に至ったと同時に発表した。

 新スーパーボーナスでは,例えば最新機種の「911SH」ならば7万2480円の端末代を分割して毎月返済していく(24回払いなら3020円ずつ)。これに割賦返済額の一部をソフトバンクモバイルが負担する「新スーパーボーナス特別割引」(911SH,24回払いの場合は毎月最大2280円)を組み合わせることで,実質的なユーザー負担額を軽減している。ただし,割賦期間中に解約や機種変更をすると,購入者は新スーパーボーナス特別割引を受けられなくなる。

 神戸生活創造センターによると,この割賦販売に関連して2006年12月に2件,2007年1月に3件の苦情が寄せられたという。30代の男性顧客は,購入後に自宅で電波が入らないことに気付き,契約直後に解約を申し出た。これに対しソフトバンクモバイルの販売店は,「解約には応じるが,今後2008年12月まで携帯電話機代を毎月2670円支払い続けるか,一括して6万4080円を支払う必要がある」と回答。このため,この男性顧客は神戸生活創造センターに苦情を申し入れた。ほかにも,これとほぼ同様のケースが3件,契約前に販売手法に疑問を持ったため苦情を申し入れたケースが1件あった。

 「消費者契約法では,事業者が消費者に不利な条件を伝えない場合は契約を無効にできる」(神戸生活創造センター)。このため同センターはソフトバンクモバイルに対し,それぞれのトラブルについて無条件解約を求めた。神戸生活創造センターは「ローン契約であることを理解していない例や,途中解約で新スーパーボーナス特別割引が無効になることを聞いていないとする例があった」としている。その結果,契約済みだったトラブル4件中3件は無条件解約となった。残る1件は「苦情を受けたのが昨日のため,現在交渉中」(同)。

 さらに神戸生活創造センターは,表示や説明を徹底するようソフトバンクモバイルあてに要望書を提出。ソフトバンクモバイルは「より一層分かりやすい説明を心がける」とコメントした。なお,現時点で新スーパーボーナスのサービス内容を変える予定はないとした。また,新スーパーボーナスの契約者数は未公表とした。