鶴見大学は1月30日、学生用と職員用で異なるシンクライアントを組み合わせた図書館システムを導入したと発表した。シンクライアントの利用により、クライアント管理の工数を減らし、セキュリティを向上させる。また、2種類のシンクライアントを使い分けることで、用途に合ったパフォーマンスを提供しつつ、ネットワークの負荷を極力抑えた。

 学生用のシンクライアントは、同大図書館にある約70万冊の蔵書検索や、動画・画像、インターネットの閲覧、マイクロソフトOfficeを使った文書作成などに利用する。比較的高い処理能力が必要なため、米シトリックス・システムズのミドルウエア「Ardence」を利用した、ネットワーク・ブート型のディスクレス端末を採用した。NECのIAサーバーExpress5800に「仮想ディスク」と呼ぶOSのイメージを置き、ネットワーク越しに端末を起動する。起動の際にOSのイメージなどを端末に読み込むため、ネットワークの負荷は高くなるが、端末内蔵のCPUやメモリーを使うことで処理を高速化できる。端末には、NECのMateシンクライアントを50台導入した。

 一方、職員が使うシンクライアントの主な用途は、図書館管理システムの管理業務やOfficeの利用などだ。そこで、シトリックスの「Citrix Presentation Server」(旧MetaFrame)を利用した、画面転送型の端末を採用した。Express5800サーバー上で業務ソフトを稼働させ、その表示画面だけを端末側に転送する。学生用の端末に比べて、処理速度は劣るものの、ネットワークの負荷を抑えられる。また、職員はどの端末からも自分のデスクトップ環境を呼び出せる。端末には、NECのTC-Stationを21台導入した。

 システム構築は昨年8月から9月の2カ月間で行い、10月に稼働を開始。構築にはNECネッツエスアイが当たり、運用・保守も同社が担当している。構築費用の総額は、5000万円から7000万円のもようだ。