MatrixBase2.0/文書管理
MatrixBase2.0/文書管理
[画像のクリックで拡大表示]

 鉄飛テクノロジーは2007年1月29日,Windows環境向け文書管理ソフト「MatrixBase2.0/文書管理」を出荷した。文書のファイル属性をデータベース管理することで所望の情報を見つけ出す検索作業が容易になるという。価格は,初期導入サービス込みで10ユーザー32万5000円(税別)から。

 MatrixBase2.0/文書管理は,文書管理ソフト。属性データベースを用いてファイルに任意の属性を付与する。属性の数には制限がなく,運用途中で新規に属性を追加することもできる。属性データベースにより,ファイルに付けた見出しによる検索やファイルの中身のテキスト全文検索だけでなく,属性値によるファイル検索が可能になる。PDF文書やPowerPoint文書など複数のページを持つ文書の場合は,個々のページを別々の情報として検索できる。

 検索インタフェースは,属性値を表形式で表現した一覧表。例えば“取引先企業名”など,ある属性に着目してファイル一覧のレコードを並べ替えたり,属性値の条件に合致したファイルを抽出したりできる。属性と属性を入れ子構造にしてグループ化することも可能。こうした表計算ソフトのような操作によって,所望の情報を含むファイルを探し当てる。

 従来,属性データベースを用いない既存の環境においては,サーバー名/フォルダ名/ファイル名といった,ファイル・システム上のファイル識別情報を用いて文書を管理していた。この方式では,ファイルの見え方がディレクトリ構造やファイル名などによって物理的に固定化されてしまう。ファイル名などファイル格納ポリシーに一貫性を保てなくなったり,ネーミング・ルールを徹底しても説明的で長いファイル名になるなど,情報の検索性は劣る。鉄飛テクノロジーでは,「情報化が進んで電子文書の数が増えると,情報を扱わなければならない社員個人の情報処理能力の限界を突破する」(社長 岡田国一氏)としている。

 MatrixBase2.0/文書管理の仕組みは,以下の通り。初期導入時に,既存のファイル・サーバー環境からMatrixBase2.0専用のファイル格納領域へとファイルをコンバートする。コンバートの実態は,ファイルを別名でコピーするとともに,属性データベースを作成/更新するというもの。コピー先のフォルダ/ファイル名はポインタとしての識別IDであり,数字の羅列となる。既存のファイルに付けられていたファイル名は,ファイル名という属性の初期値として利用する。PDFなど複数ページを持つ文書を登録すると,ページごとに分割して検索表示用のサムネイルの作成や全文検索用のテキスト・データを抽出する。なお,導入を終えて実運用に入ってからも,既存のフォルダを監視することにより,ファイルの追加/更新をトリガーに動的にファイルをコンバートできる。

 稼働環境は以下の通り。まず,MatrixBase2.0/文書管理はクライアント・サーバー型で動作する。通信プロトコルはトランスポート層にHTTPを用いた独自のメッセージ伝達プロトコルである。サーバー・ソフトの稼働OSはWindows 200 ServerまたはWindows Server 2003で,属性データベースを管理する外部データベース管理システム(RDBMS)に対するDBクライアントとなる。標準でオープンソースのDBMSであるFirebirdを利用する。MatrixBase2.0のクライアント・ソフトの稼働OSはWindows 2000以降またはWidnows XP。今後は専用クライアントに加えて,Webインタフェースを追加提供する予定である。