NECは1月29日、同社のPDM(製品情報管理)システム「Obbligato II」と連携し、設計図などの紙文書や試作品などの“現物情報”が漏洩するのをICタグで防ぐソリューション「技術情報漏えい対策ソリューション」の販売を開始した。PDMシステムで管理する「機密データ」だけでなく、実際のモノにもICタグを付けて、外部に漏れることを防ぐ。技術者やプロジェクトごとのデータに対するアクセス権をあらかじめPDMシステムで設定してあれば、その設定情報をモノの管理にもそのまま反映できるのが特徴である。既に「先行導入を始めているユーザーが何社かいる」(NECの桝渕吉弘マーケティング本部マネージャー兼ユビキタスソリューション推進本部RFIDビジネスソリューションセンターマネージャー)という。

 ICタグによる漏洩対策は、物理的なセキュリティ対策と組み合わせて行う。一定規模以上の製造業であれば、新規開発の技術や製品に関連する設計図面や試作品(モックアップなど)は、入退出管理を施した専用ルームで管理していることが多い。しかし、その持ち出し管理には紙の台帳を使うなど、権限のない技術者が持ち出してしまったり、持ち出した技術者が戻すの忘れてしまうなどの問題が発生しやすかった。今回のソリューションでは、文書や物にICタグを貼り付け、各ユーザーが持つICカードや盗難防止用ゲート・リーダーなどを組み合わせたり、棚からの出し入れを検出するスマートシェルフを使ったりして、ユーザーや物ごとのきめ細かい持ち出し管理が可能になる。

 ICタグリーダーの管理やPDMシステムとの連携には、同社のRFIDミドルウエア「RFID Manager」を使う。価格は385万円から。例えば100個程度の棚をスマートシェルフにする場合で2000万円前後など。