写真1 セシールに印字された「料金・るるる」のQRコード
写真1 セシールに印字された「料金・るるる」のQRコード
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 トランスコスモス,および日本公共料金サービスは1月29日,携帯電話を使った収納代行業務「料金・るるる」を開始したと発表した。セシールなどの通販会社や電気,ガスなど公益企業,計6社が既に採用を決定した。トランスコスモスは金融,通販業界を中心とした営業を担当。日本公共料金サービスが収納代行業務を行う。

 「料金:るるる」は携帯電話のバーコード読み取り機能を用いた決済代行サービス。ユーザーは,日本公共料金サービスが配布する携帯電話用の専用アプリを使って決済する。まず,日本公共料金サービスのサイトから専用アプリ(約30Kバイト)をダウンロード。決済に利用するクレジットカードや銀行口座などの情報を登録する。

 専用アプリを立ち上げると,自動的に携帯電話のカメラが起動。ユーザーがサービスや商品の請求書に記載されているバーコードを携帯電話のカメラで読み取ると,自動的に日本公共料金サービスのサイトにアクセスし,サービス/商品名や支払い金額,顧客情報などを送付する。あとは支払い方法を選択すれば,決済手続きが完了する仕組みだ。

 この際,日本公共料金サービス側では,ユーザーから送付された決済情報に基づき,クレジットカードの場合はクレジットカード決済センターに,口座引き落としの場合は銀行側に,それぞれ決済依頼,口座移動依頼をする。クレジットカードの期限が切れている場合や,銀行口座の残高が不足している場合には,ユーザー側にエラーを返す。無事に決済が終わると,請求書を発行した企業に通知される。

 通販企業や公益企業にとって,決済手段として「料金・るるる」を採用するメリットは二つある。料金回収にかかわる費用を削減できる点と,携帯電話で支払える利便性によって回収効率を上げられる点。回収効率の面では,金融機関やコンビニが乱立する大都市圏よりも,地方での回収率向上に効果が見込めそうだ。

 回収コスト面では,既に発行している請求書に「料金・るるる」へ誘導するQRコード(写真1)を印刷するだけでよいうえ,初期費用がかからない。手数料も,決済したユーザー数に応じた課金で,「コンビニエンスストアや郵便局よりも安い手数料」(日本公共料金サービスの根田和彦社長)を設定しているという。

 現在,リアルタイムで決済できるクレジットカード会社はVISAカードとMasterCard,金融機関はイーバンク銀行。今夏には,メガバンクや地方銀行など数十行まで拡大する予定。

 なお,当面はNTTドコモの端末のみの対応だが,年度内にはKDDI,ソフトバンクモバイルの端末にも対応する。