相互運用性について取り組む業界団体European Committee for Interoperable Systems(ECIS)は,「米Microsoftは次期OS『Windows Vista』でも相変わらず反競争的手法を用いている」などとする声明をベルギーで現地時間1月26日に発表した。

 ECISには,米IBM,米Oracle,米Sun Microsystems,フィンランドNokia,米Red Hat,などが参加している。

 ECISは声明の中で,「Windows Vistaはパソコンおよびサーバー市場の競争を停滞させることになるだろう。Microsoftは,オープンな標準を基盤にしたインターネット環境に,独自の“閉じられた標準”を拡大しようとしている」と非難。

 またECIS議長のSimon Awde氏は,「Microsoftは欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)が2004年に決定した基本的原則を明らかに無視している」と述べた。

 例えば,Microsoftのユーザー・インタフェース(UI)記述言語XAML(Extensible Application Markup Language)は「HTMLにとってかわろうとする位置にあり,Windowsに依存するように最初から設計されている。つまり本質的にクロスプラットフォーム対応ではない」と指摘した。さらに,Windows VistaとMicrosoft Office 2007が採用するファイル形式OOXMLについては「オープンなファイル形式であるODFを締め出そうとしている。ODFが複数のプラットフォームで利用できるのに対し,OOXMLが問題なく稼働するのはOfficeプラットフォーム上のみだ」と語った。

 ECISは,欧州当局に対し,Microsoftが支配力を維持するために行っている慣習を終わらせるよう求める申し立てを昨年提出している。

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