米IBMは米国時間1月26日,インターネット上でやりとりする個人情報を隠し,ID情報の窃盗や不正使用を防ぐためのソフトウエア「Identity Mixer」を開発したと発表した。スイスのチューリッヒにある同社研究所が手がけたもので,「消費者は個人情報を明かさずに,オンラインで商品やサービスを購入することが可能になる」(同社)。

 Identity Mixerでは,“ペンネーム”のようなものを使って,匿名でオンライン取引が行えるようにする。ユーザーは,銀行や政府などの信頼できる第三者が発行した電子信用証明書を用いる。証明書にはクレジットカード番号などの情報が含まれる,高度な暗号化アルゴリズムによって封印されるので,販売事業者がこれらの情報を見ることはできない。

 なお,暗号化された信用証明書は1回のみ有効であるため,次回購入手続きをする際は,新たに証明書を取得する。

 IBMはIdentity Mixerを,ID管理に焦点を当てたオープンソースのプロジェクト「Eclipse Higgins」に提供する。また,自社の「Tivoli」ソフトウエアにも組み込む計画である。

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