フィンランドのNokiaは,2006年第4四半期の決算を現地時間1月25日に発表した。同期は,すべての事業部門において粗利益が拡大。第4四半期と通期の両方で,過去最高の販売台数,売上高,1株あたり利益を達成した。

 同期の売上高は,前年同期比13%増の117億100万ユーロ。純利益は12億7300万ユーロ(希薄後の1株あたり利益は0.32ユーロ)で,前年同期の10億7000万ユーロ(同0.25ユーロ)から19%の増益となった。営業利益は15億1900万ユーロで,前年同期から11%拡大。営業利益率は13.0%だった。

 売上高を部門別にみると,携帯電話機部門が70億7600万ユーロで,前年同期比14%の増収。マルチメディア部門は21億3600万ユーロで同32%増,エンタプライズ・ソリューション部門が3億500万ユーロで同99%増だった。ネットワーク部門も21億8400万ユーロで11%の増収となった。

 同期の業界全体における携帯端末の推定販売台数は,前年同期から19%増の2億9000万台。Nokiaの販売台数は1億550万台で,前期比19%増,前年同期からは25.9%増加している。同期の推定市場シェアは36%となり,前年同の34%からシェアを2ポイント拡大した。

 販売台数を地域別にみると,中国とアジア太平洋地域が好調で,前年同期比でそれぞれ60.1%と53.7%の伸びをみせている。中東・アフリカ地域で同50.5%増加し,欧州が同11.4%増となった一方で,北米は同39.8%減少した。

 携帯電話の販売台数は増加しているが,平均価格が低下する傾向にある。インドや中国といった新しい市場をターゲットとするエントリ・レベルの機種の販売台数が増加したため,平均単価が年間を通じて継続的に低下している。平均販売価格は,前年同期が99ユーロだったのに対し,前期が93ユーロとなり,同期は89ユーロまで落ちている。

 通期の業績は,売上高が前年比20%増の411億2100万ユーロで過去最高を記録。純利益は同19%増の43億600万ユーロで,1株あたり利益が過去最高の1.05ユーロとなった。

 同社は,2007年の世界の携帯端末市場について,販売台数が2006年と比べ最大10%伸びるが,平均販売価格が低下すると予想している。

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