ソフトバンクモバイルは、2007年春モデルの発表と同時に、新しい料金プラン「Wホワイト」を発表した(以下の関連記事を参照)。

 Wホワイトは、2007年1月5日に発表した「ホワイトプラン」のオプション・サービスの位置づけであり、月額980円の追加料金を支払うと、無料通話(ソフトバンクモバイル端末への1~21時の通話)以外の料金が30秒あたり10.5円になる。ホワイトプランでは、この「無料通話」以外の料金が30秒あたり21円であり、「不特定多数への通話が多いユーザーには向かない」(同社の孫正義 代表執行役社長兼CEO)としていた。Wホワイトは固定電話や他社の契約者に通話が多いユーザーにも応えられるものだという。

 それでは、どれくらいの通話があるユーザーにメリットがあるのか。ホワイトプランの比較記事(関連記事)でいただいたご指摘を参考にしながら、いくつかのケースで検討してみた。ただし、ソフトバンクモバイルによる「スーパーボーナス(通話料の一定額割引がある割賦払契約)」は考慮せず、基本料と通話料だけを比較した。ソフトバンクモバイルの料金については、選んだ機種に応じた割引額を考慮する必要がある。

1. ホワイトプランに入ったが、すぐにWホワイトを追加するケース

 無料通話以外の通話時間が1カ月当たり46分30秒を超えると、Wホワイトが安くなる。1日あたりにすると約1分半だ。ホワイトプランの契約数は、1月25日時点で約50万だという。この中には、Wホワイトの方が割安になるユーザーが相当数いるだろう。

2. 新規契約の法人ユーザーが、NTTドコモの「タイプL」と比較検討するケース
 
 かなり限定的だが、中小企業あるいは部署決済の法人ユーザーが5回線を新規契約するにあたり、NTTドコモのタイプLと比較する場合はどうだろう。タイプLも一定額(1万80円)を超える部分は「30秒あたり10.5円」である。タイプLについては、最低1年間の契約を前提とする「(新)いちねん割引」(割引率は10%)と、法人による複数契約「ビジネス割引」(同15%)を適用する。この場合、1カ月あたり273分30秒まではWホワイトが安くなる。1日あたりにすると約9分だ。

 NTTドコモの場合、契約年数が増えると割引率が上がるため、有利な領域は次第に増える。このほか、複数回線の一括請求によって通話料が割り引かれるサービスもある(3000円の手数料が必要)。

3. 新規契約の法人ユーザーが、NTTドコモの「タイプM」と比較検討するケース

 上記と同じ条件で、タイプLを「タイプM(6930円)」に置き換えてみる。この場合には、当初は常にWホワイトの方が安くなる計算だ。タイプMは、5年継続による割引を受けたときにWホワイトよりも安くなる領域が出てくる。