テービーテックは,複数のファイル・サーバーを束ねて1台に見せる代理アクセス・ソフト「NASadapter Access Manager」を,2007年2月13日に出荷する。部門ごとに導入したNASがオフィスに散在してしまいがちな状況下において,ファイル・アクセス履歴のログを一元管理して内部統制に役立てるのが狙い。価格はオープンだが,参考価格は100万円前後。PCサーバー込みのアプライアンスでの導入は200万円程度から。初年度販売目標は200セット。

 NASadapterは,Windowsファイル共有サーバー(CIFSによるNAS)に対して,NASadapter自身の名前空間(フォルダ名)で代理アクセスできるようにするソフトである。代理アクセスによって,個々のNASに対するアクセス履歴のログを一元化して記録/管理できるというメリットがある。ネットワーク・インタフェースを2基使ってインライン設置してNASへの直接アクセスを禁じることで,セキュリティを保つことも可能である。

 NASadapterからNASへの代理アクセスの方法は2つある。1つは,既存のNASに変更を加えることなく,既存のNASが管理しているフォルダ/ファイルに対するアクセスを代行する方法で,テービーテックではこれを「非仮想化」と呼んでいる。すでに使用中のNASのログ管理を一元化したい場合に都合がよい。

 もう1つの代理アクセスの方法は,新規のNASをクラスタ化して論理的に1台のNASに見せるもの。あるNASのフォルダと別のNASのフォルダを合体させて,単一のフォルダに見せる運用が可能になる。テービーテックではこれを「仮想化」と呼んでいる。すでに使わなくなったNASや個人向けの安価なNASを束ねて巨大なディスク容量を確保したい,といった場合に都合がよい。

 テービーテックが仮想化と呼ぶ後者の方法では,新規にファイルを作成する際には,NASadapter独自の名前でNASに格納する。ただし,NASadapterは,どのファイルがどのファイルに書かれているかの情報を持たない。ファイルを読み出す際には,すべてのNASに対してNASadapterがファイル・アクセスのリクエストを投げ,ファイルを実際に持っているNASがNASadapterに返答する。

 稼働OSは,FreeBSD 5.2.1以降で,x86系CPU上で動作する。Linuxバイナリは今後提供予定である。