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JASRAC,YouTube内の著作権侵害対策を語る

武部 健一=ITpro 2007/01/26 ITpro

 日本音楽著作権協会(JASRAC)は,動画投稿サービスを運営する米YouTube社と著作権侵害問題に関する交渉を進めている。2007年2月上旬にはYouTubeのチャド・ハーリーCEO(最高経営責任者)と,スティーブ・チェンCTO(最高技術責任者)が来日,JASRACなどと協議の場を持つ。JASRACの渡辺聡・送信部長にYouTubeとの交渉などについて話を聞いた。


写真●YouTubeに不法アップロードされた動画を削除するJASRAC。写真は東京都渋谷区上原の本部内
[画像のクリックで拡大表示]

YouTubeを問題視し始めたのはいつ頃からか。

 ちょうど1年前の2006年1月だ。JASRACの信託者や放送局から「どう対処したら良いのか」といった問い合わせが来た。その後,どんどん日本からアップロードされる動画が増えていったので,6月に米国のDMCA(デジタル・ミレニアム著作権法)に基づく削除手続きを始めた。YouTube側もDMCAに基づいた削除要請には対応するとのことだった。

 最初はファクシミリで削除依頼の文書を送っていたが,しばらくするとYouTubeから専用のアカウントが送られてきた。このアカウントだとYouTubeの「コンテンツ・ベリフィケーション・ツール」という削除依頼ツールが使える。6月末以降はこのツールを利用している。依頼すればたいていの場合,翌日には消える。

削除要請に応じれば問題はないとするYouTube側の法的見解は妥当だと考えるか。

 現在の法律に従えばそういうことになるのだろう。米国の「ASCAP」というJASRACに似た著作権管理団体にも相談したが,対策としては「権利者の側がYouTubeに削除要請をすることだ」との返答だった。

そうなると削除要請以上の対策は進まないと思うが。

 そうは思っていない。法的にはただちにYouTubeを訴えてサービスを止めるのは難しいと思う。そこでまずは法律に沿って,権利者側の意思をぶつけている。昨年10月に3万件の動画削除を一斉に行ったのも,YouTubeに対してインパクトを与え,問題を認識させるためだ(関連記事)。

 現在は,YouTubeに対して著作権侵害を事前防止できるシステムを作って欲しいと要請している。今は削除をすべて権利者側のコストで行っているが,事前防止するのがYouTube側の責任ではないのか。また,報道によれば,特定の動画を発見して,自動的に削除できる技術を親会社の米Googleが開発済みとのことだ。

 ただ,システムの実現には時間がかかるだろう。そこで当面の措置として,著作権侵害に関する警告の日本語表示と,投稿者に氏名と住所を登録させること,不法アップロードを行った投稿者のアカウントを剥奪することをすぐに実施して欲しいと求めている。

氏名と住所の登録は難しいのでは。

 YouTube側がアップロードしている人の名前と住所を控えるとなれば,相当な心理的警告になると考えた。また,法律に違反しているとは知らずに悪意なくアップロードしている人が相当数いると思う。日本語での警告表示を含めて,まずはそういう人に止めてもらいたい。

YouTube社からの返答は。

 昨年末に「上級幹部を日本へ送るから少し待って欲しい」との連絡があった(編集部注:2月上旬に来日することがこのインタビューの直後に決定。関連記事)。要求した当面の措置については,「警告を日本語で掲示する用意がある」との返答があった。しかし,未だに日本語の表示はない。また,幹部の来日は当初「日本でのビジネス展開を考えたい」とのことで,趣旨がこちらの要求と噛み合っていなかった。

 米国ではテレビ局のNBCがYouTubeに最初抗議していたが,その後提携している。日本でもそういう解決策を考えている可能性がある。ビジネスとしての提携を拒否することはないと思うが,著作権の問題とは話が違うはずだ。

YouTube以外にも多くの動画投稿サイトがある。対策を講じているのか。

 JASRACとしては行っていない。YouTubeが一番問題であり,テスト・ケースだと考えている。

 今後,他の動画投稿サイトにも対応するとなれば,別の組織が必要かもしれない。YouTubeだけでも対策には相当労力を割かれている。削除が追いつかず,一度削除してもまた同じ動画がアップロードされる。削除は一つひとつ再生して確認しているので,大変な手間だ。

YouTubeはメディアで肯定的に扱われることが多い。米TIME誌は「2006年の発明」にYouTubeを選んだ(関連記事)。

 技術の優秀さはあると思うが,他人の著作物の侵害の上に乗っかっている。「BIEM」という著作権団体の世界的な組織でも,YouTubeに対してクレームを出していこうという動きになっている。

不法にアップロードされた動画を見てそのコンテンツに興味を持ち,CDやDVDを買う人もいる。

 YouTubeをプロモーション的に利用しようという意見は,JASRAC会員の中にもある。JASRAC内部にもある。あるアーティストの方からは「YouTubeの可能性の方に注目したい」との発言もあった。

 ただ,YouTube社へのメッセージとしては,まずは「著作権対策をちゃんと行って欲しい」というものだ。やはり多数の方は「困っている」との意見だからだ。

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