Linux推進団体Open Source Development Labs(OSDL)と標準化団体Free Standards Group(FSG)が1月21日に合併した(関連記事)が,そのきっかけは東京での会議だったと,OSDLのボードメンバーであり,米SteelEye TechnologyのCTOのJames Bottomley氏が同社のブログで明かしている。

 Bottomley氏によれば「昨年末, OSDLとFSGは東京で会議を持ち,合併のメリットについて協議した」という。昨年11月に日本でOSDLのシンポジウムが開催され,同時期にFSGのJim Zemlin氏も来日しており,この機会に協議が行われたものと見られる(関連記事1関連記事2)。「この協議は成功裏に終わり,両組織による合併委員会が発足,短期間で合併を成功させるために活動を始めた」(Bottomley氏)。

 合併のメリットについてBottomley氏は「これまでFSGが標準化を,OSDLが普及促進と保護を担っていたが,重複する部分があった。組織の統合により人材が集約され,Linuxの普及促進,保護,標準化に注力できる。一元的な『窓口組織』が生まれることになる」と述べている。

 そして「MicrosoftがLinuxを重要な存在として認識するようになったこのタイミングで,Linux Foundationが設立されることに大きな意味がある。オープンソース・モデルの知的財産権や持続可能性などについての企業からの疑問に答え,Linuxを深刻な競争相手と捉える企業の宣伝攻勢に対抗できるLinux Foundationという組織の存在は,Linuxが発展する上で重要なカギとなる」としている。「Linuxは趣味に始まり,今やメインストリームの安全,確実なOSへと成長してきた。Linux Foundationの設立は,この最初のステージの完成を示すものだ」(Bottomley氏)。

 SteelEye Technologyは日本のサイオステクノロジー傘下の米企業で,クラスタリング・ソフトウエアを開発,販売している。Bottomley氏はLinuxカーネルのSCSIドライバのメンテナも務めている。