ソフトバンクモバイルは1月25日,春商戦向けの新端末14機種を発表した(写真1)。2月上旬から順次販売を始める。世界初となる20色のカラー・バリエーションを持つモデルや,厚さが約8.4mmと世界最薄のストレート端末,薄型のワンセグ端末などで他社との差異化を図る。NTTドコモとKDDIは,1月16日にそれぞれ10機種を発表済み(NTTドコモの関連記事),(KDDIの関連記事)。
14機種の内訳は,ワンセグ対応の2機種,薄さを追求した4機種,法人専用モデル2機種,ファッション性を追求した2機種,ほか4機種となっている。このうちワンセグ対応モデルは,東芝製で厚さ17.9mmのスライド型端末「911T」,韓国サムスン電子製で厚さ13.5mmのスライド型端末「805SC」の2機種である(写真2)。911Tは,最大3.6Mビット/秒のHSDPA(high speed downlink packet access)に対応するうえ,3インチのワイドVGA液晶やBluetoothなどを搭載する“全部入り”モデル。春商戦向けのフラッグシップ機となる。
薄さを追求したモデルは,韓国サムスン電子製で世界最薄となる厚さ8.4mmのストレート型端末「708SC」,厚さ11.9mmの折りたたみ型端末「707SC II」,パナソニックモバイルコミュニケーションズ製で厚さ16.2mmの折りたたみ型端末「706P」,NEC製で厚さ18mmの折りたたみ型端末「706N」の4機種(写真3)。
法人専用モデルは,フィンランドのノキア製の「X01NK」とシャープ製の「813SH for Biz」(写真4)。X01NKは,2006年末にノキア・ジャパンが発売した「E61」のソフトバンク版である。MMS(multimedia messaging service)に対応するが,ブラウザフォン・サービス「Yahoo!ケータイ」には対応しない。813SH for Bizは,同時に発表された「813SH」と同型。違いは,法人向けにセキュリティを強化した点。赤外線通信のほか,Bluetoothを介した外部機器へのデータ転送,メールへのファイル添付といった機能を使えないようにした。
20色展開するモデル投入のためサプライチェーン見直し
ファッション性を重視した2機種は,シャープ製の「812SH」と韓国サムスン電子製の「707SCスワロフスキー・クリスタル・バージョン」(写真5)。812SHは世界最多となる20色のカラー・バリエーションを持つ。一般にカラー・バリエーションを増やせば,過剰在庫や販売機会損失のリスクが高まる。そこで今回,812SH投入に伴い,流通や在庫管理,端末調達などSCM(supply chain management)の仕組みを見直したという。「店舗別の売り上げ状況を日時で把握し,そのデータをメーカーに伝えて追加ロットの生産に微調整をかける仕組み。どうしても店頭での欠品は出ると思うが,できるだけすぐに補充できる仕組みにする」(孫正義代表取締役社長)。
春モデルでは隠し玉なし
その他のモデルについては,東芝製で「コドモバイル」ブランドで投入する子供向けの「812T」,女性をターゲットにした折りたたみ型端末「813T」,ビジネスパーソンをターゲットにした折りたたみ型端末「813SH」,福岡ソフトバンクホークス公認の折りたたみ型端末「ホークスケータイ812SH」がある(写真6)。
秋冬モデルでは2機種あった“隠し玉”については,「春モデルではない」(孫社長)とした。また,米アップルが6月に発売予定の「iPhone」を発売するかどうかについてはノーコメントだった。