スカイパーフェクト・コミュニケーションズが、専用チューナーに挿入して用いるICカードに不具合が発生する可能性があるとして、無償交換を始めることが本誌の取材で明らかになった。ICチップがはがれて使用できなくなる可能性があるとして、契約者に対する告知を郵送で先週末に始めた。交換の対象は、2000年6月から2002年10月に製造された122万枚(スカイパーフェクトのICカード発行枚数は累計で205万枚)。2007年2月中旬から2008年3月ころまで毎月約10万枚ずつ交換していく。

 ICチップは、チューナーからICカードを取り出したときにはがれる可能性がある。ICカードは常時チューナーに挿入しておくことをスカイパーフェクトは推奨しており、挿入したままならICチップはまずはがれないという。これにあわせてスカイパーフェクトは、ICカードを取り出さないことを促す告知を自社サイトで始めている。

 ICカードは通常10年以上の耐用年数があるが、対象のICカードはチューナーの熱などにより想定よりも経年劣化が早かった。5~6年で劣化が始まる恐れがあるため、2月中旬から製造日時が古いものから順に交換していく。新しいICカードをまず契約者に送付し、古いICカードを返送してもらう。

 交換・回収にかかるコストは「まだ正確には把握できていない」(スカイパーフェクト広報部)が数億円規模とみられる。ただし今回の不具合はICカードメーカーに責任があるとみられ、スカイパーフェクト広報部は「コストの大半はメーカーに負担してもらうため、当社の損失は軽微」としている。スカイパーフェクトのICカードは、ソニーの暗号技術をICチップに採用しているが、そのICチップを使ってICカードを製造しているメーカーは公表していない。