2007年3月期第3四半期決算を発表するKDDIの小野寺正社長兼会長
2007年3月期第3四半期決算を発表するKDDIの小野寺正社長兼会長
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 KDDIは1月25日,2007年3月期第3四半期の決算を発表した。2006年4月~12月の連結ベースの売上高は前年同期比10.4%増の2兆4625億円,営業利益は同22.7%増の3161億円,経常利益は同24.9%増の3196億円で,増収増益となった。KDDIはこれを受けて,通期の連結業績予想を,売上高3兆3300億円(370億円増),営業利益3420億円(240億円増)に上方修正した。

 中でも好調なのが,携帯電話番号ポータビリティ(MNP)で顧客数を伸ばしている移動通信事業。移動通信事業の売上高は前年同期比7.1%増の1兆9760億円で,全社売上高の約80%を占める。営業利益は同12.1%増の3359億円だった。小野寺正社長兼会長(写真)は「順調なすべり出し」と控え目だが,MNPによる純増は12月末時点で合計48万4000(他社からのポートインが63万2000,他社へのポートアウトが14万8000)。MNP以外の新規契約も合計48万2000あり,第3四半期の純増シェアは73.3%(auが116.8%,ツーカーが-43.5%)と驚異的な数値を記録した。

 固定通信事業の売上高は直収電話「メタルプラス」の拡販などにより,前年同期比23.1%増の5364億円。営業赤字は前年同期から183億円縮小した。メタルプラスの回線数は12月末時点で約261万。「音声サービスの売り上げの減少に歯止めがかかり,2008年3月期は黒字化できる」(小野寺社長)と自信を見せた。

 一方,FTTHの回線数は12月末時点で56万(KDDIが22万,東京電力が34万)。1月1日に東京電力の光ファイバ事業を統合し,中長期的に首都圏の提供エリアでシェア30%を目指す。