マイクロソフトは1月25日,「Windows XP Home Edition」のサポートを2014年4月まで延長すると発表した。これまで同社は,Windows XP Home Editionのサポートを2009年4月で終了するとしていた。それを改めて,Windows XP Home Editionに対しても,Windows XP Professionalと同様に2014年4月まで「延長サポート」を提供し,セキュリティ修正プログラムを無償で提供することにした。

 マイクロソフトWindows本部のジェイ・ジェイミソン本部長は「Windows XP Home Editionのサポート延長は,特に日本市場で要望が高かった。マイクロソフト日本法人が米国本社にフィードバックすることによって,Windows XP Home Editionのサポート延長が実現した」と強調する。

 マイクロソフトの製品サポートは,「ビジネス製品」と「コンシューマ製品」で異なっている。ビジネス製品とは,Windows XP Professionalや「Microsoft Office」,サーバー製品,開発ツールなどを指し,製品の発売から5年間(または次期バージョン発売から2年間の長い方の期間)「メインストリーム・サポート」を提供し,メインストリーム・サポート終了後5年間(または次々期バージョン発売から2年間の長い方の期間)「延長サポート」を提供する。「メインストリーム・サポート」の期間中は,製品に関するバグを無償で提供する。「延長サポート」の期間に入ると,セキュリティに関するバグのみが無償で提供され,他のバグ修正は有償となる。

 一方,Windows XP Home Editionやゲーム・ソフトなどのコンシューマ製品には,「メインストリーム・サポート」しか提供されず,「延長サポート」は提供されないことになっていた。そのため,これまでは「Windows XP Home Editionのメインストリーム・サポートは,(Windows Vistaの発売から2年後である)2009年4月で終了する。その後の『延長サポート』は提供しない」とされてきた。つまり,2009年5月以降は,セキュリティ修正プログラムすらも提供されないことになっていたのだ。

 Windows XP Home Editionの寿命切れが迫っている問題については,本誌ITproでも2006年2月に「【特集】どうする『寿命切れ迫るWindows XP』」として取り上げたところ,マイクロソフトの姿勢を批判する声が読者から多数寄せられた。マイクロソフトとしてもこれらの批判に応える必要があると判断し,全世界的に方針を改め,Windows XP Home Editionのほか,コンシューマ製品であるWindows XP Media Center Edition 2002/2004/2005に対しても,延長サポートを提供することにした。

 マイクロソフトがまもなく発売するWindows Vistaにも,「Home Basic」「Home Premium」といったコンシューマ製品が存在する。これらに延長サポートを提供するかどうかについては,「これから発売する製品であるので,まだ公表していない」(ジェイミソン本部長)とした上で,「Windows Vistaのサポートに関しては,お客様からのフィードバックを受けた上で,将来の計画を決定したい」(同)としている。Windows Vistaのコンシューマ製品のサポート終了は,製品発売から5年間または次期バージョンの発売から2年間の長い方の期間になるので,最短で2012年に終了することになる。このサポート期間は,Windows XP Home Editionよりも短い。