米Microsoftは1月24日(米国時間で1月23日),Ajax(Asynchronous JavaScript+XML)開発フレームワーク「ASP.NET AJAX 1.0」を正式にリリースした。同社Webサイトから無償でダウンロードできる。

 ASP.NET AJAXは,Webサーバー側で多くを処理する形態を採る従来のASP.NETを拡張して,より多くの処理をクライアント側で実行するAjaxクライアントの開発を支援するソフトウエア群。Visual Studio 2005およびVisual Web Developer 2005 Express Editionで利用できる。1.0版は,(1)クライアント側で動作するJavaScriptのライブラリ「Microsoft AJAX Library」,(2)ASP.NETを拡張するコントロール集「ASP.NET 2.0 AJAX Extensions」,(3)カスタム・コントロールのサンプルや開発キットを収録した「ASP.NET AJAX Control Toolkit」の三つで構成する。

 開発者は,AJAX LibraryとASP.NET 2.0 AJAX Extensionsを併用することで,Visual StudioやVisual Web Developerのフォーム設計画面で視覚的にAjaxクライアントを開発できる。AJAX Libraryは,Webサーバーやブラウザに依存しないよう作られている。AJAX Library単体で使うことも可能で,ライセンス上もPHPやApache HTTP Serverなどと組み合わせて利用できるようにしている。

 Microsoftは,ASP.NET AJAXを2005年10月にAtlasという開発コード名で発表,2006年4月からベータ・テストを実施していた。当初は,2007年中のリリースを予定している次期版Visual Studio「Orcas(開発コード名)」に合わせて,.NET Framework 3.5の一部としてリリースする予定だった。だが,早期のリリースを望むベータ・テスターからの声が強く,単体で正式版をリリースする運びになった。

 ASP.NET AJAX 1.0の日本語版は提供されていないが,日本語環境で利用するためのリソースが含まれている。日本語版は .NET Framework 3.5のリリースに合わせて提供される計画だ。また,従来は実運用環境でも利用できるがサポートがないGo-Liveライセンスで提供されていたが,正式版のリリースに合わせて有償サポートも提供される。