マイクロソフトディベロップメントの南條氏
マイクロソフトディベロップメントの南條氏
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国内でのユーザビリティ調査を基に改善されたOffice 2007の「表ツール」
国内でのユーザビリティ調査を基に改善されたOffice 2007の「表ツール」
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ある人に関する情報を一覧表示できるInterConnect 2007
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InterConnectに登録されている人同士の関連をVirtual Earth上に表示
InterConnectに登録されている人同士の関連をVirtual Earth上に表示
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タイムカード入力や電話メモ機能などを持つGroupBoard Workspace 2007
タイムカード入力や電話メモ機能などを持つGroupBoard Workspace 2007
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 マイクロソフトは2007年1月23日、一般向けの発売が間近に迫る「2007 Office system」(以下、Office 2007)における日本の開発成果に関する説明会を開催した。Office 2007が搭載する新ユーザーインタフェース「リボン」の開発に国内でのユーザー調査の結果が反映されていること、日本発の2製品がラインアップの中に加わっていることなどを紹介した。

 まず、マイクロソフト日本法人の技術部門である、マイクロソフトディベロップメント オフィスディベロップメント開発統括部の南條勉氏が、Office 2007の開発に対する日本からの貢献について説明した。日本の開発陣が主導した製品には、日本語入力ソフト「IME 2007」、日本のビジネスシーンに合ったオフィス内の情報共有ソフト「GroupBoard Workspace」、情報管理ソフト「InterConnect 2007」などがある。また「Outlook 2007」の一部機能や、リボンのデザインなどについても日本からの要望が反映されているという。

 例えば、Outlook 2007のアカウント自動設定機能。メールのアカウント設定については同社のサポートにも多くの問い合わせが寄せられ、「ユーザーにとっては相当ハードルが高い」(南條氏)。そこでOutlook 2007では米国本社と自動設定機能を共同開発し、ISPやシステム管理者などがXML形式で設定ファイルを用意しておけば、それを読み込んで適切な設定をする「AutoDiscover」などを搭載した。国内の代表的なISPのユーザーの約8割が自動設定可能だという。これ以外に、Outlook 2007の連絡先として登録されている人の名前をIME 2007で辞書として利用する機能、電子名刺機能なども日本主導で開発された機能だという。

 延べ102名を対象に、国内でのユーザビリティ調査も実施。アルファ版やベータ版の段階から、日本のユーザーに特化したシナリオで使い勝手を調査した。その結果は米国にもフィードバックされ、ユーザーインタフェースの改善に反映されたという。例えば「Word」や「PowerPoint」などに搭載されている「表ツール」。表を作成したり選択したりすると現れるタブだ。表は日本で特にニーズの多い機能で、テストの過程でさまざまな改善点が見つかったという。開発の初期には、罫線の編集コマンドがないため編集がしづらいという問題が発覚。それはベータ1版で改善されたものの、表ツールのタブそのものが気づかれにくいという難点が浮上。製品版でデザインを大幅に変更し、表編集の操作性を向上させたという。

 続いて、InterConnect 2007とGroupBoard Workspace 2007についても詳細な説明があった。InterConnectは、仕事にまつわるさまざまな情報を関連付けて管理するソフト。ある人やカテゴリーに関連する名刺やメール、ドキュメントなどを一覧して確認できる。日々の仕事の記録をブログ感覚で入力し、そのときに会った人を関連付けておけば、その人に関する仕事を後で整理し直すときに楽だ。

 日本ではさらに先を見た機能の開発も進めており、Windows Vistaで利用可能になる小規模アプリケーション「ガジェット」でInterConnectへの情報入力ができるソフトや、Windows Mobile搭載の携帯電話からのアクセス機能など、開発中のシステムもデモされた。InterConnectに登録されている人同士の関係を、地図ソフト「Virtual Earth」上に表示してみせるというデモも披露された。

 GroupBoard Workspaceは、Windows SharePoint Services 3.0の上で動かせる情報共有サイト。スケジュールと施設予約の同時実行やタイムカードの記録、電話メモ、モバイルからのアクセスなど、日本企業で必要とされる機能を多く搭載しているのが特徴だ。Outlookとの連携機能も持つ。2006年11月から無償ダウンロード提供を開始している。