Webブラウザ上でExcelを起動しているところ
Webブラウザ上でExcelを起動しているところ
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 マイクロラボは2007年2月5日,同社のWebアプリケーション開発ツールの新版「XCute Ver9」を出荷開始する。新版では,WebブラウザとMicrosoft Excelとの連携機能を実装。これにより,Internet Explorer(IE)上でExcelを起動し,AjaxやFlaxhなどの技術を使わずともリッチなUIを備えたWebアプリケーションを開発できるようになった。

 XCuteは,ユーザー・インタフェース(UI)画面の設計にExcelを使うことで,プログラミングの知識がなくともOracleやSQL Serverなどと連携するWebアプリケーションを開発できるツール。XCuteがサーバー側の運用やセキュリティを確保することで,エンドユーザーでも比較的容易にWebとデータベースが連携するアプリケーションを開発できる。

 旧版では,Excelで設計した画面レイアウトをHTML化してWebサーバーからクライアントのブラウザに送信していたが,新版のVer9では,Webブラウザ上でExcelを起動することで,ExcelのUIをそのままクライアント側のUIとして利用できるようになった。クライアント側PCには,Excel 2000以降とIE 6.0以降がインストールされていることが必要となる。

 IE上でExcelを起動する技術そのものはIE自身が従来から備える機能であり,XCute独自のものではない。しかし,旧版から備えるExcelを使った画面設計機能,データベース連携機能,セキュリティ機能などにExcel連携を加えることで,新版では作りやすさに加えてリッチなUIを提供できるという特徴も備えたWebアプリケーション開発ツールとなった。

 「これこそ,自分が開発したかった製品の姿」と力説するのは同社の宮森勝彌代表取締役。「業務アプリケーションが使われるPCにはたいていExcelがインストールされているし,Excelなら画面設計からデータのグラフ化まで容易だ。WebでリッチなUIというとAjaxが注目されているが,Ajaxにはできないことがまだ多いし,開発も容易ではない。ならば,わざわざ手間をかけてAjax化することはない。帳票や表形式の画面が多用される業務アプリケーションのUIをリッチ化するなら,Excelを使ったほうがずっと簡単で現実的だ」と,新版のメリットを強調する。既存のXCuteユーザーからも,すでに反響があるという。

 新版では,このほかデータベース連携機能を強化。Create TableやDrop TableなどSelect以外の一般的なSQLも自由に記述できるので,データベースのメンテナンスもしやすくなった。旧版では自動設定だったトランザクション処理機能を,任意に設定することも可能だ。

 価格は,1CAL(クライアント・アクセス・ライセンス)の開発版が5万円(初年度保守込み,税別)から。動作OSはWindows 2000以降で,かつExcel 2000以降が必要。Windows Vista,Office 2007,Internet Explorer 7.0にも対応する。