中国の調査会社である易観国際(Analysys International)は、中国で展開する検索サイトの2006年の売上高ランキングおよび、検索市場総額を発表した。中国の検索市場全体の売上は前年比69.1%増の15億7000万元(約239億円、1元=15.5円で計算)となり、そのほとんどが広告掲載によるものだった。同社では、検索市場は2006年からの5年間で30.13%の成長を遂げ、2010年には45億2100万元(約701億円)になると予測している。

 中国で展開する検索サイトの売上高ランキングは、トップが「百度」(市場全体の53.3%)で市場全体の半分以上を占め、2位の「Google」(中国国内のみ、同16.1%)、3位の「Yahoo!」(同、同15.0%)を大きく引き離した。2005年のランキングでは百度(同33.1%)、Yahoo!中国(27.0%)、Google中国(13.0%)だった。中国国内での検索サイトの動向を巡っては、Googleは百度と人気を二分しているとするレポートが多いが、営業面、広告売上で見れば、百度はGoogleを大きく引き離している。

 ただし、今後も、百度が安泰かというと必ずしもそうではない。検索結果連動型広告の特性であるクリック数に応じて広告主に費用が発生するシステムに目をつけ、百度に広告を登録したライバル企業同士が、競合先の企業の広告をわざとクリックし、相手の広告費負担を大きくしようとすることが半ば常態化している。本来の広告効果とはかけ離れた部分から、百度が収益を得ている点については、利用者から非難の声が上がっている。

 なお、検索サイトのランキング4位以下は中国の企業が運営するサイトが占めた。4位は大手ポータルサイト「捜狐」の1サービスの「捜狗」(市場全体の6.6%)、5位が同じく大手ポータルサイト「新浪」(同5.4%)、6位に中国で開発された独立系検索サイトの「中捜」(同5.4%)などが続いた。