「情報通信審議会情報通信技術分科会広帯域無線アクセスシステム委員会」の第5回の様子
「情報通信審議会情報通信技術分科会広帯域無線アクセスシステム委員会」の第5回の様子
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 総務省は1月19日,2.5GHz帯の周波数を使った固定無線システム(FWA)の技術的条件の検討を開始した。「情報通信審議会情報通信技術分科会広帯域無線アクセスシステム委員会」の第5回を開催(写真)。山間地や離島といったブロードバンド・サービスの導入が難しい地域のディジタルデバイド解消に,2.5GHz帯を使えるようにすることを目指す。

 同委員会では,技術的条件を検討するための作業班を設置して,(1)高利得なアンテナを使ったFWAなどのシステムの導入,(2)同一チャネルを異なる事業者が利用する場合の共用条件などを議論し,4月下旬にも情報通信審議会からの答申を得る。

 2.5GHz帯は,モバイルWiMAXなど高速なモバイル通信サービスとして使うことが決まっている周波数帯でもある。そのための技術的条件は,2006年12月に情報通信審議会が総務省に答申を出している(関連記事1関連記事2)。だが2.5GHz帯を高速モバイル通信用途だけでなくFWA用途で使いたいとする意見も多く,そのための技術的条件の検討が今後の課題とされていた。

 今回検討する技術方式はFWA用途とはいえ,デバイスの単価や構築コストの観点から高速モバイル通信サービスで検討した技術方式と同じである。標準化された技術で複数ベンダーの参入が見込めるものとして,モバイルWiMAX(IEEE 802.16e-2005),IEEE 802.20(MBTDD-Wideband),IEEE 802.20(MBTDD-625k MC),次世代PHSの4種類が候補となっている。これらを固定通信として使うことを想定する。既に関連する実験も実施されている(関連記事3)。