調査会社のIDCジャパンは、2007年の国内IT市場規模が前年比1.9%増の12兆976億円になる見通しであると1月18日に発表した。2006年の国内IT市場規模は11兆8710億円、前年比成長率は2.1%だった。1.9%という成長率は、世界平均を大幅に下回る。IDCは、2007年の世界のIT市場規模は前年に比べ6.6%増を見込む。

 情報化先進国である米国における2007年のIT市場成長率はそれぞれ6.3%、西欧が5.4%と予測する。IDCジャパンの佐伯純一リサーチ バイスプレジデントは、「米国や西欧におけるIT市場の伸び率は、GDPの伸び率の2倍以上。それに対して、日本のIT市場の成長率は、GDPの伸び率とほぼ同じ」と指摘する。

 国内のIT市場の成長率が平均を下回っている背景について、佐伯バイスプレジデントは、「国内企業の経営者がITに対してあまり理解していないことや、IT投資をコストととらえているため」と分析する。さらに「情報化人材の確保が難しいなど、過去のIT資産を変えようにも、身動きがとれなくなっている」という。

 IDCは18日に同時発表した「2007年国内IT市場展望」の中で、「ストレージ市場に新たな投資の波が起こる」「サーバー統合が加速する」「基幹系システムに対するSOA適用が始まる」「Saasへの関心が高まる」など10項目の注目ポイントを挙げた。これらは世界に共通する内容。国内市場特有のものとしてIDCジャパンは「2007年の国内コンプライアンス関連市場規模は4100億円を超える」と予想している。