米Gartnerと米IDCは,2006年第4四半期における世界パソコン市場の調査結果をそれぞれ米国時間1月17日に発表した。それによると,メーカー首位の米Hewlett-Packard(HP)は,前年同期と比べ出荷台数が約24%拡大した。

 Gartnerによると,2006年第4四半期の世界パソコン出荷台数は6730万台で前年同期と比べ7.4%増加した。メーカー別では,1位のHP(市場シェアは17.4%)が同23.9%増加。2位の米Dell(市場シェア13.9%)は同8.7%減少した。

 Gartnerは,「ゲーム機や薄型テレビといった民生電子器機との厳しい競争と『Windows Vista』リリース直前の値下げが,パソコン市場全体に影響を与えた」と分析する。

 米国における出荷台数は前年同期比3.2%減少し,2期連続の縮小となった。消費者向けが期待を下回り,特にデスクトップ・パソコンが不調だった。米国市場では,Dell(市場シェア29.1%)が1位を維持したが,出荷台数は同17.3%減少。2位のHP(同25.3%)は同16%増で,Dellを追い上げた。

 2006年通期の出荷台数は2億3900万台で前年比9.5%増加。DellとHPがそれぞれシェア15.9%で首位の座を分け合った。

 米IDCの報告データによると,2006年第4四半期における世界パソコン出荷台数は6560万台で前年同期と比べ8.7%増加した。ただし,第3四半期の成長率「9.1%」から減速し,従来予測である「10.1%」を下回った。

 「当期は,Vistaの企業向けリリースが始まり,消費者向けリリースが保留になったことに加え,価格状況の変化や市場の変動など厳しい四半期となった。HPは明らかにこの状況を乗り切り,一方Dell,中国Lenovo Group(聯想集団),米Gatewayなどは深刻な影響を受けた」(IDC)。

 地域別では,日本を除くアジア太平洋,欧州,中南米,カナダが依然好調だったが,米国と日本の出荷台数が引き続き減少した。

 2006年通期の出荷台数は2億2860万台で前年比10.0%増加したが,2005年(前年比16%増)から失速した。

■Gartner調査による2006年Q4の世界パソコン出荷台数(速報値)

メーカー 2006年Q4 2005年Q4 伸び率
出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア
(1000台) (%) (1000台) (%) (%)

HP 11,687 17.4 9,431 15.0 23.9
Dell 9,385 13.9 10,284 16.4 -8.7
Lenovo 4,773 7.1 4,365 7.0 9.3
Acer 4,593 6.8 3,451 5.5 33.1
東芝 2,576 3.8 2,070 3.3 24.5
その他 34,339 51.0 33,085 52.8 3.8
合計 67,352 100.0 62,686 100.0 7.4

注:データにはデスクトップ・パソコン,ノート・パソコン,x86サーバーが含まれる
出典:Gartner Dataquest

■IDC調査による2006年Q4の世界パソコン出荷台数(速報値)

メーカー 2006年Q4 2005年Q4 伸び率
出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア
(1000台) (%) (1000台) (%) (%)

HP 11,900 18.1 9,613 15.9 23.8
Dell 9,666 14.7 10,552 17.5 -8.4
Lenovo 4,772 7.3 4,398 7.3 8.5
Acer 4,630 7.1 3,360 5.6 37.8
東芝 2,439 3.7 2,081 3.5 17.2
その他 32,180 49.1 30,313 50.3 6.2
合計 65,587 100.0 60,318 100.0 8.7

出典:IDC

[発表資料(Gartnerのプレス・リリース)]
[発表資料(IDCのプレス・リリース)]