米Microsoftは1月17日(米国時間),「複数の大手セキュリティ・ソフトウエア・ベンダーが1月30日に,消費者および小規模企業向けの“Vista-ready”製品で『Windows Vista』対応を開始する」と発表した。これで,セキュリティ・ソフトウエア市場の“紳士録”に載っているようなベンダーのほとんどがVistaに対応する。また注目に値する家庭向けセキュリティ・ソリューションもいくつか登場する。こうしたソリューションは,今後セキュリティ製品の販売形態が大きく変化することを示している。

 Microsoft副社長でセキュリティ技術部門のトップを務めるBen Fathi氏は「オンラインの脅威やウイルス,ハッカーからシステムを守るなど,パソコン環境の安全性を高めることの重要性が増している。こうした状況は,企業ユーザーでも家庭ユーザーでも変わらない」と述べた。「Windows Vistaは我々が開発したなかで最も安全なOSであるが,当社のセキュリティ・パートナは今後もWindowsプラットフォーム上に保護層を追加するという必要不可欠な役割を担い続ける」(Fathi氏)

 1月30日のWindows Vista一般提供までに対応製品の出荷を開始するベンダーは,米CA,米ContentWatch,米Grisoft,米IMSafer,ロシアKaspersky Lab,米McAfee,スペインPanda Software,米PixAler,米SafeBrowse.com,米Symantec,トレンドマイクロなどだ(Microsoftも,Windows Vistaに対応する統合セキュリティ・サービス「Windows Live OneCare 1.5」を1月30日までに開始する)。

 これらベンダーのうちContentWatch,IMSafer,PixAlertなどは,新たな家庭向けセキュリティ市場に注力する。例えばContentWatchは,インターネット・コンテンツをリアルタイムにフィルタリングするソリューションを提供し,外出中でも家にいる子供のオンライン活動を監視できる保護者向け製品を手がける。

 2006年の時点で,セキュリティ・ソフトウエア・ベンダーによるWindows Vistaへの準備に関する議論がいくつかあった。しかしMicrosoftはそうした議論の最中も,「セキュリティ・ベンダーがWindows Vistaの一般提供に合わせて対応製品を出す」という姿勢を崩さなかった。もちろんWindows Vistaには,スパイウエア対策ソフトウエア「Windows Defender」,「ユーザー・アクセス制御(UAC,User Access Control)」,(保護者が子供のパソコン使用を制限する)ペアレンタル・コントロールに加え,「Protected Mode」といった「Microsoft Internet Explorer(IE)7.0」の各種保護機能など,新しいセキュリティ機能が搭載されている。