国際レコード産業連盟(IFPI)は英国時間1月17日,2006年のデジタル音楽市場に関する調査結果を発表した。それによると,2006年にWebサイトや携帯電話を通じて販売されたデジタル音楽の売上高は推定20億ドルで,前年の約2倍となった。またデジタル音楽の売上高は,音楽市場全体の約10%を占めたという。

 シングル・トラックの売上高は7億9500万ドルで,前年から89%増加した。また,オンラインで入手可能な音楽は2006年に400万曲に達し,前年から約倍増した。

 デジタル音楽の販売は,携帯電話とWebがそれぞれ約半分を占めた。しかし,この割合は国によって大きく異なり,日本では携帯電話による購入が約90%を占める。大手携帯電話メーカーが音楽対応携帯電話を拡充する見通しのため,2007年にはモバイル音楽市場が急伸する可能性がある。

 また調査から,ポータブル・プレーヤの所有者で合法サイトから購入するユーザーは14%,PtoPサイトなどで不正に入手するユーザーは14%と,ほぼ同率であることが分かった。

 IFPIによると,2006年はPtoPサイトの悪質なユーザーに対する訴訟が,18カ国において約1万件起きている。同連盟は,このような法的措置の行使が,不正なファイル共有の抑制に貢献しているとみる。欧州では2004~2006年にかけてブロードバンドの普及率が40%へと倍増したにもかかわらず,PtoPサイトの利用率が18%から14%に減少したという。

 IFPI会長兼CEOのJohn Kennedy氏は,「レコード業界はデジタル世界の考え方を身につけたようだ。2010年にはデジタル音楽の売上高が,全世界における音楽販売の少なくとも25%を占めるだろう」と予測した。

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■変更履歴
第2段落目に「デジタル音楽全体の約89%を占めた」とありましたが,「前年から89%増加した」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/01/25 12:30]