Storage Serverの管理画面に組み込まれたAiOの管理ソフト
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StorageWorks All-in-One Storage System
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 日本ヒューレット・パッカードは,従業員500人程度の中堅・中小企業に向けて,専任のシステム管理者がいなくても管理できるようウィザード形式の管理ソフトを搭載したiSCSI/NASストレージ「StorageWorks All-in-One Storage System」(AiO)を,2007年1月下旬に出荷する。価格は,SATA(Serial ATA)ディスクで容量1.5Tバイトのモデルが81万9000円,SAS(Serial Attached SCSI)ディスクで容量876Gバイトのモデルが102万9000円。

 AiOは,PCサーバーを用いたきょう体に,ハードディスクとともに米Microsoftのストレージ構築用OSであるWindows Storage Server 2003 R2,iSCSI化ソフト,Storage Server 2003の管理機能を拡張する独自のウィザード・ソフトを搭載する。NASおよびiSCSIディスクとして利用できる。スナップショットやテープ・バックアップといった運用管理機能も標準で装備する。最大の特徴は,ウィザードを搭載して,素のStorage Server 2003を使う場合に比べ,設定の手順を簡略化したこと。DAS(Direct Attached Storage)環境からiSCSI SAN環境に移行して運用管理コストを削減する,という需要を狙う。

 ウィザードの使用とAiOの実運用のためには,SQL ServerやExchange Serverなど,AiOを外部ストレージとして使う業務アプリケーション・サーバー側に,AiO専用のエージェント・ソフトをインストールしておく必要がある。エージェントはWindowsのサービスとして稼働する。業務アプリケーションが使っているデータ量などの情報をエージェントを使ってAiO側に伝えることにより,AiOはデータ容量などのパラメータを自動的に設定する。スナップショットの作成などの実運用時にもエージェントとAiOが通信しあう。

 SQL ServerとExchange Serverについては,特化した運用ルールを最初から装備している。既存のDAS(Direct Attached Storage)環境からAiO環境へのデータの移行やAiO上のデータ領域の拡張といった難解な手順が,ウィザードのGUI画面での数回のマウス・クリックだけで完了する。例えば,Exchange Serverのメール格納容量を増やす場合,素のStorage Server 2003では6種類のインタフェース画面と30ステップ以上のマニュアル作業が必要になるが,AiOのウィザードであれば6クリックで完了する。

 本体形状はタワー型で,ベースとなるPCサーバーは「ProLiant ML350G5」。きょう体に一般的な3.5インチ大のディスク6本を内蔵する。ディスクの種類は2つで,250GバイトのSATAディスク×6本または146GバイトのSASディスク×6本。別途,オプションのラックマウント・キット(税別4万円)も用意した。ネットワーク・インタフェースはギガビット・イーサネット×3で,CIFSファイル共有クライアントからのNAS接続と,業務アプリケーション・サーバーからのiSCSI SAN接続に用いる。iSCSI SAN構築用のギガビット・イーサネット・スイッチは,別途必要に応じて購入する。