「Expression Studio」のラインアップ
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デベロッパービジネス本部の市橋本部長
デベロッパービジネス本部の市橋本部長
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「Expression Web」は、JavaScriptのコード入力支援機能を持つ
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「Expression Blend」の画面。「タイムライン」という概念を取り入れ、アニメーションを手軽に作成可能
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ウェザーニューズによる、WPFを使ったガジェット。リアルタイムに3次元の演算を実施し、雲の動きなどを地球儀上に再現
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WPFを用いて、3方向からの映像を同時に流す自動車レースのストリーミングサービス。オープンインタフェースが開発
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 マイクロソフトは2007年1月17日、Webデザイナーを主なターゲットとした統合デザインソフト「Expression Studio」を発表した。マイクロソフトとしては新規参入となる分野だが「3年後には、日本のデザインツール市場でナンバーワンになる」(デベロッパービジネス本部 業務執行役員の市橋暢哉本部長)と強い意気込みを見せる。2007年2月16日から順次発売する。

 Expression Studioは、4種類の製品で構成される。XHTMLとCSSを利用したWebページの作成ツール「Expression Web」、Windows Vistaが搭載する画面描画機構「Windows Presentation Foundation(WPF)」を用いたWeb/デスクトップアプリケーションのデザインツール「Expression Blend」、ベクター画像を生成できる描画ツール「Expression Design」、デジタルコンテンツの管理ツール「Expression Media」である。このうちExpression Designを除く3製品は、単体でも発売する。

 第一弾は、2007年2月16日に発売するExpression Web。価格はオープンで、同社が想定する実勢価格は3万7800円。競合ソフトであるアドビシステムズの「Dreamweaver」シリーズや、IBMの「ホームページビルダー」シリーズなどを使っているユーザーには、1万1800円という優待価格を設け、乗り換えを促進する。2007年1月17日から体験版のダウンロード提供も始まった。

 Expression Webの特徴は、Webの標準技術に準拠したツールであること。HTML 4.01やXHTML 1.0/1.1、CSS 1.0/2.0/2.1などの記述言語の規約や、「WCAG」などのアクセシビリティの基準に対応。これらに違反する記述をしようとすると警告を出すなどする。また、JavaScriptの記述時にコードの入力を支援する「インテリセンス」機能を搭載するなど、エディター機能の強化に努めた。

 同社が「Windows Vista時代のアプリケーション開発ツール」と銘打つのが、Expression Blend。WPFを用いて特殊効果の付いたリッチなWebアプリケーションや、デスクトップアプリケーションを開発できる。特徴は、デザインの結果を「XAML」と呼ぶXMLデータで出力すること。XAMLは同社のソフトウエア開発ツール「Visual Studio」で読み込めるため、画面イメージを作成するデザイナーと、動作ロジックを記述する開発者との共同作業が容易になるのが売りだ。発表会の会場では、Expression Blendでの開発事例として、3次元表現を多用したWebアプリケーションも披露した。2007年1月17日から、ベータ版のダウンロード提供を開始。Expression DesignおよびMediaを加えて、2007年の第3四半期に発売する予定という。

 Expression Blendは「ブラウザーを立ち上げて見るWebではないWeb」(市橋氏)を開発できるツールだという。代表的なのが、Vistaのデスクトップ画面の右端に表示できる小規模アプリケーション「ガジェット」。ガジェットはブラウザーなしで動作するが、インターネット経由で常に最新の情報を取得し、表示を動的に更新する。こうしたソフトウエアは、一般消費者向けソフトのみならず「業務アプリで使われるようになる。必ず普及する」(市橋氏)とし、普及が進むにつれ新たに生まれるであろう市場を確実に取っていくとその決意を語った。