auブランドで発売されるシャープ製ワンセグ端末「AQUOSケータイ W51SH」
auブランドで発売されるシャープ製ワンセグ端末「AQUOSケータイ W51SH」
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「MEDIA SKIN」。有機ELパネルの採用で、画面表示の美しさを訴求する
「MEDIA SKIN」。有機ELパネルの採用で、画面表示の美しさを訴求する
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KDDIの小野寺社長。「個人向け市場が縮小しても、法人や組み込み分野で今後も市場拡大できる」との姿勢を示した
KDDIの小野寺社長。「個人向け市場が縮小しても、法人や組み込み分野で今後も市場拡大できる」との姿勢を示した
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 KDDI(au)は2007年1月16日、携帯電話の春商戦向けに10機種を発表した。シャープ製の「AQUOSケータイ」を筆頭に、携帯機器向け地上デジタル放送「ワンセグ」の受信機能を備えた端末を7機種投入。テレビ機能を前面に押し出して春商戦に臨む。発売は2007年1月下旬以降順次(発表資料)。

 「AQUOSケータイ W51SH」は、シャープ製のワンセグ端末。同社がソフトバンクモバイル向けに出荷している「SoftBank 905SH」「同 911SH」と同様に、ディスプレイの付いたきょう体上部を縦横に回転できる機構を備えた。また、東京・大阪の一部地域で実用化試験放送中のデジタルラジオの視聴も可能。液晶サイズは3型で、解像度は240×400ドット。

 KDDIが自ら端末設計を手掛けた機種「MEDIA SKIN」は、一般的な液晶パネルに代えて26万色表示の有機EL(organic electro luminescence)パネルを採用。色再現範囲がNTSC比107%、コントラスト比が1万対1といずれも高く、液晶パネルより発色の良い鮮明な画面表示が可能である。「有機ELパネル自体は以前から開発されているが、携帯電話のメインディスプレイとして採用するには、寿命の短さと画面の焼け付きが課題であった。これらの課題をクリアした有機ELパネルが商品化されてきたので採用した」(KDDI au商品企画本部長の井上正廣氏)。サイズは2.4型、解像度は240×320ドットである。有機ELパネルの調達元については明らかにしていない。

「映像という次のステップで、顧客満足を高める」

 製品発表の記者会見に登壇したKDDI 代表取締役社長の小野寺正氏は、「携帯電話番号ポータビリティー(MNP)制度が始まってから3カ月近く過ぎたが、順調な滑り出しとなった。とはいえ、MNPは今後も永遠に続く制度。引き続き顧客満足(CS)の向上に努めなければいけない。今回の新製品で取り組んだ映像をはじめ、端末を次のステップに進めることがCSの向上につながるだろう」と、新製品の狙いを語った。

 携帯電話の国内契約数が約9500万件となり、契約数の伸びが以前より鈍化していることについては、「個人向けの携帯電話市場が縮小(シュリンク)しているのは当然のこと。ただし、個人向け市場だけを取り上げて携帯電話市場全体が頭打ちになったととらえるのではなく、まだ拡大の余地があると考えている。当社では既に、法人向け端末や電子機器への組み込み用データ通信モジュールを発売しているが、これらは今から立ち上がる市場だ。今後はこうした新しい市場への取り組みを進め、これからも市場の拡大を続けていきたい」(小野寺氏)とした。