家電量販店上位4社のヤマダ電機、エディオン、ヨドバシカメラ、ビックカメラが無線ICタグの導入効果を検証する共同実験に乗り出す。家電製品にICタグを貼り付け、保守・修理業務の効率化と店舗内のロケーション管理の精度向上を目指す。

 家電業界でのICタグ導入では、ヨドバシカメラが先行して2006年5月に開始している。家電メーカーに対してICタグの貼り付けを要請し、製品の受け入れ作業の効率化などに活用している。しかし現在の業務モデルでは、家電メーカー側のメリットが薄く、対応メーカーはあまり増えていない。今回、業界全体で実証実験に取り組むことにより、量販店と家電メーカーの双方にメリットがある業務モデルの構築を目指す。その結果を、EPCグローバルやISO(国際標準化機構)などの国際標準化団体に提案し、グローバルな標準規格として推進していく。

 実験は、保守・修理業務の効率化と、店舗内のロケーション管理の精度向上の2種類に分けて行う。保守・修理業務では、製品の保証書にICタグを貼り付け、量販店が保守・修理を受け付ける際に、保障期間や修理部品を確認する際の手間を軽減する。日立製作所グループが製品の保証書にICタグを貼り付け、ビックカメラとヨドバシカメラ、エディオンの3社が修理・保守業務を担当する。店舗内のロケーション管理の実験はヤマダ電機などが行う。実験期間は、いずれも2007年1月下旬から2月上旬を予定する。

 今回の実験は、経済産業省の2006年度ICタグ実証実験の一環。量販店大手4社を含む11社で構成する大手家電流通懇談会と、ソニーや東芝、日立製作所、松下電器産業などが設立した家電電子タグコンソーシアムが共同で実施する。

(日経コンピュータ2007年2月5日号で詳報)